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俺は御山でしか見たことがないが、まちでもやりとりとしては同じだろう。駆使魔法は上書きできる。じゃなきゃ魔物屋さんが、商売として成り立たない。……未だにわかってねえんだけど、魔物屋と魔獣屋ってどう違うの? どっちか職業だったりするのか。区分がわからん。ひとによって云いかたが違うのあれなに。言語スキルバグってんのか。
「違反って、なに。駆使魔法のことだよね」
きょとんとしていたジャーラムくんが、なにか、納得したような頷きをくれた。俺が、駆使魔法の動きについて疑問を呈したと思ったのか。や、こういうルール知らねえのだって変なんだろうけれど、まあいいや。流してくれれば助かる。今から勉強するからさ。
サフェくんが、考えるような間を一瞬置いて、答えてくれる。
「違反っていうのは、警邏隊の対応がってこと」
「え、駆使魔法をかけなおすのは、だめなの?」
頷かれる。まじ? 何故。
サフェくんは体ごと俺へ向いた。わずかに身振りを交えつつ、云う。
「駆使されている魔物に関しては、駆使しているひとに権利がある。それはわかるよね、マオ」
「うん……えっと、もちものになるっていうか、そういうことだよね」
「そう。云いかたはよくないけれど、馬車とか、剣を持ってるのと一緒。買ったひとに権利がある。或いは、戦って手にいれたひとに」
頷いた。よくわかるたとえだ。
お金を出してなにかを買えば、その所有権は買ったひとにある。それはあっちでもそうだ。盗品ででもない限り。魔物屋さんから買った魔物は、駆使魔法をかけて、自分の「所有」にする。それで、権利を主張できる、と。
この世界の場合、戦って倒した魔物を還元して手にはいる装備品は、戦ったひと達に権利があるというのも、今のではっきりわかった。その国や地域でも、還元を頼まれた還元士でもなく、戦ったひとに権利があるってこと。サフェくんの言葉が正しいならな。だからなのかも、めっちゃ凄いらしい、持ってるひとが一目置かれる装備品(俺には価値がこれっぱかしもわからないやつ)があるのって。なんかを倒さないと手にはいらないーとか、それ系? 持ってるだけで強いのわかるんならそら、騒ぐ。
そうして、還元したあとの素にさえ権利があるってことは、還元前の魔物にだって戦った人間に権利がある。だから、戦って倒し、駆使した場合は、無条件でそのひとのものとして認められる、と。




