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俺の認識は間違いではないみたいで、プロルだからどうのこうのというラリーが幾らか、サフェくんとジャーラムくんの間であった。やっぱり、めずらしいみたい。プロルを駆使してるの。なんとかいう、聴きとれんのが人気だから、プロルはめずらしいっぽい。多分犬っぽい魔物の話。聴きとれんし聴きとれても覚えられんぞ、あの音の並び。
ともかく、ビミョーなところ。事件と関係ある可能性もあるし、でもむちゃくちゃめずらしい魔物ではないから偶然別人が駆使していただけかもしれない、という。
絶対にこんなの駆使しないよ! って魔物ではない。大人気って訳ではないがまったく人気がないって訳でもない、なんともいえないラインみたい。ロアだかディファーズだか出身の傭兵だと、比較的つれてる可能性が高い、とかなんとか。
加えて、駆使していた魔物をおとりにつかって持ち主が逃げるというのは、戦術として普通にありうる。もっと戦いにつかえる魔物とか、めずらしい・価値の高い魔物とかを優先して、そっちを切り捨て、自分達は逃げた、とか。
そりゃ、戦術として有効ではある。そもそも、おとりとしてつかう為に駆使することだってあるというから、ちょっと呆れてしまう。誰だって自分の命は大事だし、有効なのもわかるけど、そういう考えで魔物を「つかう」ひととは、友達になりたくはないな。だって、人間も「つかい」そうじゃん。俺みたいなのはまっさきに、おとりにされるだろうよ。
「そのプロル、どうなったの」
気になって訊くと、ジャーラムくんは肩をすくめた。サフェくんが身をのりだすみたいにして云う。
「もしかして、駆使魔法を重ねてしまった?」
「だと……そのほうが、安全だし」
「それって違反でしょう。問題になるよね」
「それは……です、けど」
「御山が認めたってこと?」
「ねえ待って、ちょっとわかんないんだけど、訊いてもいいかな」
遮って云う。ふたりがこちらを見る。
重ねる、までは想像がつく。駆使魔法は駆使魔法で上書きできる。それは知ってる。
魔物屋さんの軒先で見かける光景だ。魔物屋さんが駆使している状態で売っている魔物を、買ったひとが駆使魔法をかけなおして自分の支配下へ置き、まちへいれる時にとりのぞいたくちばしの先や爪の先などを袋にはいった状態でうけわたしてもらう、という。あの袋のやりとり、いったいなんなのかわかってなかったが(長いこと餌だと思っていた)、自分が魔物を何人か使役して知った。




