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言葉が通じないミズトくんは、案外大丈夫かもしれないって、今更思う。言葉が通じなくても能力証はある訳で、いざとなればそれを提出すれば、少なくとも悪しき魂ではないということはわかる。
天罰だとしたら会話ができないのは仕方ないし、それで天罰がすんでいるってことは神さまにとって殺すほどではないってことで、ある意味「その程度」ってことだからな。天罰でまじで死ぬひとが居る世界だから、天罰喰らったけど死んでないのは多分セーフ……多分ね。俺が天罰喰らったってだけでいやがるひとも居るが、数が少ない。死んでないならもういいんじゃん、くらいの反応が多いと、俺は思っている。
リョウくんは能力証提出できないし、中途半端にこっちの知識があるしで、変なこと口走りそう。事情聴取がどんなもんかわからんけど、リョウくん対警邏隊数人だときついのでは。ミズトくんと一緒だったら大丈夫かなあ。ミチさん達が同席するのはゆるされないよね。流石にそれは。事情聴取前に、あのふたりにこっちの必要最低限の常識を教えてくれればいいが、コマちゃんが居てもだいぶん、きつそう。
ジャーラムくんがサンドウィッチをぱくつきながら、こちらを向いた。
「プロル、見付かったって……」
「え?」
俺とサフェくんの声が揃う。ジャーラムくんは不思議そうに眉を寄せ、小首を傾げる。
聴いてなかったことを驚かれたのだが、今日の昼頃、あの近辺で、プロルが見付かったそうだ。見付けたのは巡回していた警邏隊で、負傷してうろついていたプロルを眠らせて、捕まえた。調べたところ、駆使魔法で操られているのは間違いないそうだ。
ジャーラムくんが何故それを知っているかというと、警邏隊が報告に来た時に空き間を「うろうろして」おり(彼はほんとにそう表現した)、帰りがけの警邏隊が亢奮気味に教えてくれたからだそうだ。知り合いだったみたい。あと、ジャーラムくんが駆使魔法に関する特殊能力を持っているからその話をしたのだろう。
ジャーラムくんやルーレウさん、それに警邏隊の数人が持っているという特殊能力は、「駆使されているかどうかがわかる」であって、「誰が駆使しているかわかる」ではない。
もしかしたらそういう特殊能力もあるかもしれんが、今現在警邏隊にも警護班にもそういうひとは居ないっぽい。居るとしたら、そんなプロル見付かっただけで、事件解決だ。あ、でもまだ、そのプロルが襲ってきたやつと関係あるかはわからんのか。いやでも、うーん? まあ糸口にはなるでしょ、事件の。




