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「先生がたとお話って、なんだろうね?」
ふたりが満足した様子で(俺の渡した焼き菓子の袋を手に)帰って行くのを見送り、サフェくんへ顔を向ける。サフェくんはからっぽになったお鍋を収納し、まだ中身のあるお鍋から、大きめのマグへ中身をよそう。
俺達に対してよそよそしい警護班達に、それを渡している。俺も、サンドウィッチをさしだした。お礼云ってくれたからいいけど、おまけはしてあげなかった。サフェくんへの態度に、ちょっとだけはらたったから。
そのひと達がはなれていって、周囲がちょっと静かになった。ほぼ全員に食糧が行き渡ったのだ。……ジャーラムくんも喰ってる。ジャーラムくんが居るからか、ほんとに警護班のかたがたの素行が好い。おまもりがわりにジャーラムくん持ち歩けないかな。割とまじで。
「マオ、警邏隊の隊長とも知り合いなんだよね……」
「ああ、マルロさん?」
頷かれた。呆れたような顔で。
俺はにやっとして、答える。
「マルロさんが隊長になる前からね。四月の雨亭によく来てくれてたんだよ」
「なんだかマオって、度胸ある。僕だったら、知り合いが警邏隊の隊長になったら、かしこまっちゃうよ」
「俺、不器用だから、そういうのうまくできないだけ」
思い込みが激しいというかさ、その点他人のこととやかく云えねえのだ。最初にこういうひとって思っちゃったら、そこからイメージを変えるのが難しい。
俺にとってマルロさんは、あのバトンみたいな武器を持ってまもってくれた、丁寧な口調の傭兵、であって、なんか役職がついてるっていうのは未だによくわからない。あるじゃん? 子役だった子が大きくなってお酒のCMやってると、呑めるんだっけ、って思っちゃうみたいな。
スープを飲んだジャーラムくんが、サンドウィッチにも手を伸ばしはじめた。もう結構食べてるみたいなんだけど、この子も食べるなあ。なんか、魔力つかうようなことしてるのだろうか。
「昨日のことかもね」
「ああ」
まあ、大事件だし、話しにも来るか。朝も来てたけど。大車輪の働きだなあ。何度もここに来るということは、緊密に連携している、というやつだろうか。皮肉でもなんでもなく、お疲れさまですとしか云えない。
リョウくん達、大丈夫かな。絶対、事情聴取あるよね。ミチさん達がフォローしてくれるだろうし、コマちゃんがいろいろ教えてあげるだろうけど、うーむ。




