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 説明しなくてはいけないことが多すぎる。そしておそらく、そのひとつひとつが、こちらの世界のひとにとっては大きな衝撃になる。

 わかっていたことだけれど、わかっているからって対処ができるということではない。

 かなり落ち着かない様子のミューくんや、どうにも感情がたかぶっているらしいサキくんに、俺が居た世界の説明をするのは、難しい。勿論、ユラちゃんもそれなりに……というか、おおいに戸惑っているらしいので、説明が通じるのかどうか、わからなかった。

 リッターくんはリッターくんで、なにを感じているのかいまいちわからない表情をうかべ、俺をじっと見ている。リッターくんは、結構保守的なひとだと俺は思っているので、もしかしたらリッターくんが一番、俺の話を受け容れていないのかもしれなかった。

 俺は深呼吸する。なにはともあれ、伝えなくてはならない。この子達には知る権利がある。俺が封印されたことで迷惑をかけたのだから。

 それに、この子達にこれ以上、嘘も隠しごとも、まっぴらごめんだった。いつもの俺の自己満足だ。


「さっきの、続きね。俺が居た世界には、魔物は居ない」

 サキくんが、ああ、と呻くみたいに云う。リッターくんの眉が寄る。「魔物が居なくて、やっていけるのか」

「……ええっと?」

 俺からすると、魔物が居るとまちが襲われたり、外をうろついていると危険だったり、いいイメージはない。還元過多による襲撃も沢山経験したし、犬や猫が突然魔につかれて魔物になり、甚大な被害をもたらした現場にも居た。だから、リッターくんの質問の意図がわからない。魔物が居なかったら、安全だし安心じゃないの? と思ってしまう。

 小首を傾げる俺に、リッターくんは淡々と云う。

「魔物が居ないでは……手にはいらない薬材がある。恢復(かいふく)魔法があるとしても、すべての人間が癒し手ではない。薬はひとを救うのに大切なものだ」

「あー……えっと、こっちとあっちで比べたらだけど、医療で云えばあちらのほうが上じゃないかな」

「そうなのか」

「うん。あ、恢復(かいふく)魔法なしの医療に限定してだけど、それは」

 慌てて付け加えた。あちらにはどんな種類の魔法も存在しないというのが常識だ。もしかしたらごく一部のひとがつかえるのかもしれないが、こちらのようにほとんどすべてのひとが魔法を手足のようにつかう世界ではない。

 リッターくんは釈然としないふうに、小さく鼻を鳴らした。ユラちゃんサキくんも、納得した様子ではない。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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