表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4087/6878

3944


 窓を開けるとオレンジ色の小鳥が居た。

 多分、ここのお客さん達に餌をねだるのに慣れているんだろう。窓が開いたとみるや、数羽がどこからか飛来して、窓敷居にとまった。餌付けしていいものかわからないが、可愛いのでつい、収納空間から出したパン粉を(てのひら)に置いてさしだしてしまう。

 小鳥達はちちっちちっと鳴きながら、パン粉をついばんだ。おいしいみたいで、勢いがある。(てのひら)をつつかれてくすぐったい。

 肩越しに後ろを見る。ミューくんはサキくんの髪を、丁寧によつあみにしていた。サキくんは戸惑ったような顔で、俺とミューくんを交互に見る。「ミュー、なにかあるの?」

「ちょっとね」

 ミューくんはサキくんの髪に紐を結び、とんとサキくんの肩を叩く。「はい、できた。きがえて、顔を洗ってこようよ」

「え? うん……」

「マオさん、ユラ達も呼んでおきますから、前庭で話しませんか?」

「うん」俺は苦笑いになる。「ありがとう」

「いえ。サキ、行こう」

 サキくんは怪訝そうな顔で、ミューくんにひっぱられるまま出ていった。


 ほーじくんが起きたので、簡単にことの経緯を説明する。彼は頷いて、ぼくも一緒に居る、と云い、きがえて出ていった。

 サキくんもミューくんも、雑嚢っていうのかな、少ない荷物をまとめた鞄みたいなものは持って出ている。ほーじくんの荷物は俺が預かっているし、このお部屋にはもう誰の荷物もない。なので、俺は窓を閉め、錠を下ろし、ランタンを持って廊下へ出た。ランタンはフロントでかりたものだ。

 フロントでランタンを返し、世間話みたいなものをした。ここのまちは、ココナツ風味のお菓子が名物だそうだ。後で買おうかな。

「おはよう、マオ」

「あ、ダストくん、おはよ」

 ダストくんがランタンを持って降りてきた。やはり、フロントへ返している。

 眠そうなので、俺はちょっと笑ってしまった。

「やっぱり、ベッドから落ちた?」

「俺は落ちてない」

()()?」

「リッターが一回落ちた」

 ほれみろ。

 勝ち誇ってやりたかったが、大人げないので辞めておいた。結局、ベッド割はサーダくん・ダストくん、リッターくん・ネクゼタリーさん、だったそう。そりゃあ落ちます。ベッドそこまで大きくないもん。俺とほーじくんだって、ほーじくんが痩せてるからなんとかなったんだぜ。

 にやにやする俺に、ダストくんは口を尖らせた。けどすぐに笑い出す。「マオの云うとおりだった。ミュー辺りをもらったほうがよかったな」

 俺達はそういう、なんでもないことで笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ