表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4079/6876

3936


 宿についた。食堂ではダストくんが待っていて、俺達の為に夕食を注文してくれる。俺達が席に着いて、ゴブレットのなかの冷えたお水を飲んでいると、サキくんがやってきた。

 サキくんはユラちゃんの隣に座る。ユラちゃんがからかうように云う。

「ミューにひっかかれたの、サキ?」

「ひどくね」サキくんは簡単に返し、自分の頬を指さした。「でもすぐに治療してもらった。大丈夫だよリッター、彼はできた人間だから、もう怒りはおさまってる」

「そうか。明日、謝ろう」

 リッターくんの真剣すぎる返事が面白かったのか、サキくんはくすっとした。


 ダストくんが戻ってきて、ほーじくんの隣に腰掛けた。「サキの分も頼んだぞ」

「ありがとうございます」

 サキくんはにこっとする。御山(おんやま)を介して、仲好くなっているのかな。そういや、このテーブル、俺以外は入山者じゃないか。

「ねえ、熱の魔法でやってるのかしら」

 ユラちゃんが顎をしゃくる。調理場のほうだ。どうして熱魔法だと判断したんだろう、と思ったが、ダストくんが答えをくれた。「ああ、ほんとだ。薪や炭の音がしないな」

 はあー。そっか。

 入山者って、やっぱ普通じゃない。そんなことに気付く? 普通。こっちの世界のひとでも大多数は気にしないだろう。こういう観察眼が、入山につながったんだろうな。

 ていうか、ユラちゃんはいろんなことに興味を持って、その上でおろそかにしないで徹底的に調べるから、知識量が膨大だもの。御山(おんやま)の先生がたは、そういう学究心というか探究心というか、を、凄く評価しているんじゃないだろうか。勿論、魔力が高くて大きな魔法をつかえるっていうのもあるけど、ユラちゃんの入山は勉強に対する意欲も加味されてだろう。

 ほーじくんが可愛らしく、両手でゴブレットを持ってお水をすすっている。少し眠そうだ。

「この辺りは、木が貴重だから」

「それで、熱の魔法なのね」

 ユラちゃんはテーブルに肘をつく。「この辺りまで来たのは、数える程なのよ。裾野って、御山(おんやま)もあるし、傭兵協会がしっかりしてるから、どこもレントみたいなものかと思ってたけど、全然違うわね」

 リッターくんとサキくんが、よく似た頷きをした。

「まちへ這入るのに金を要求する門番が居るとはな」

「え? そんなことがあったのかい?」

 サキくんが驚いた声を出す。「裾野でもそんなことするんだ」

「あの門番だけだよ」ダストくんが苦笑いする。「ハーおじさんは、もめたらややこしいって、放ってるけど、俺はもうだめだな。おとなしく収穫だけしておこう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ