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サキくんと一緒に、武器の露店へ近付いていった。
店主が座るじゅうたんの上に、武器が沢山置いてある。店主の左右には、小さなたんすみたいなものがあって、そのなかにもおそらく武器がはいっているのだろう。ここまで歩いてきたのかな。それとも、ここで商売するひと達で、一緒に馬車をかりてやってきた、のかもしれない。
サキくんがにっこりして訊いた。「ユラ、どう? なにかいいものあった?」
「大したものはないわ」
ちらっとこちらを見たユラちゃんが、ばっさり切って捨てる。しかし、意地悪な調子ではない。「まったくもって値段相応よ。ここの店は良心的ね」
「これなどはよいと思うが」
リッターくんが短剣の並ぶ場所を示す。店主は、くしゃくしゃの茶髪をふたつにくくった高校生くらいの女の子で、浅黒い顔に苦笑いをうかべている。「沢山買ってくれるんなら、おまけするよ」
「あらいい心がけじゃない。マオ、収納空間に余裕、ある?」
「ある」
というか、余裕だらけだ。俺の収納空間は多分埋まらない。
ユラちゃんが頷いて、じゅうたんの上に貝貨を数枚置いた。店主の目がまるくなる。ユラちゃんはふんぞり返った。
「これで全部買えないとは云わせないわよ。この子がひきとるから、あんたは町へ戻ってお勉強でもなさい」
武器は全部収納した。たんすみたいなのは、重ねられるようになっていて、店主はそれを重ねて、更にまるめたじゅうたんをのせる。それから頭に、ねじった布を環にしたものを被って、たんすをのせた。あの布は、滑り止めらしい。「ありがと、ちっちゃいお嬢さん」
「小さいは余計よ」
ユラちゃんが口を尖らす。サキくんがくすくすした。店主は頭の上に荷物をのせたまま、よろけもせずに歩いていった。歩きなんだ。大丈夫なのかな。
ミューくんとほーじくんが、なんだかしょんぼりと肩を落として戻ってきた。
また、地べたに座って、すいかのジュースを飲んでいた俺達は、ふたりを見上げた。サーダくんとダストくんは、飼い葉を売っているひと達のところへ行っている。ドライさぼてんがないか訊くんだって。
「ミュー? なに、どうかしたの?」
ユラちゃんが訊いた。ほーじくんがミューくんを促して、サキくんの隣に座らせる。自分もそのまま、ミューくんの隣に座る。
ほーじくんは哀しそうな目をしている。
「今……ニニのとこ、行ってきた」
「ああ。ミューが治療したんだから、もうよくなったのよね?」
ミューくんが頭を振る。リッターくんが顔色をかえた。




