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ユラちゃんは、ほーじくんリッターくんと相談して、手紙を出したそう。伝糸経由のものだからすぐに届く。ダストくんの村にも、そういう施設はあるんだって。
「手紙がないと、困るじゃない? 誰でも。だから、警邏隊が居なくても、手紙を出すところはあるって聴いたわ。まあ、あんまりにも鄙だと、それもないらしいけれど」
俺は頷いた。ズフダリフ先生が、シアナンさんから手紙をうけとったって云っていなかったっけ? マオという子がレントへ行くから、世話してやってほしい、っていう。
それも多分、村にある手紙を扱うところで出したのだろう。シアナンさんは長老で、村の要職にあるみたいだから、簡単に村を離れることはできない。もとの世界でまちからまちへ移動するのと、こちらの世界でそれをやるのとでは、かかる時間もコストも違う。
「そうやって、相談して手紙を出して、係の人間に自分達は西へ向かうからその方面のまちや村に伝えておいてくれって、少なくない銀貨渡して頼んだのよ。わたし達がダストの村を出発してから返事が来たら、面倒じゃない?」
俺はユラちゃんへ頷く。リッターくんが、ほーじくんの羽をちょっと触っていた。ほーじくんは平然としている。
ユラちゃんが横目で、ほーじくんを軽く睨む。
「ミューの返事はいつかしらって、じりじりして待ってたのに、あんたとマオは暢気に市場へ行ってるんだもの。その間に、ミューからの返事が来てたんだからね」
「あ。ごめん」
「いいわよ。あの時怒鳴ってやったから。でも、マオにはなにも云ってないから、今云うわ」ユラちゃんは俺を睨む。「マオ、天罰をもらったのに、長い間連絡もなしにわたしの前から居なくならないでよ。不安になるでしょ」
俺は首をすくめる。「ごめん」
市場へ……というのは、あの、夜市みたいなのへ、ほーじくんと一緒に行った夜のことだろう。おいしいものを食べたりお水を買ったりした。その後、宿の前庭で、ユラちゃんがほーじくんにかなり怒っていた覚えがある。
その前日に、三人はミューくんへ手紙を出している。ミューくんは、レントから出て、別の村やまちから返事を出したんじゃないかな。
ダストくんの村からの出発は、朝はやかった。ミューくん達は、よなかに手紙を受けとって、準備をして、出発したから、次の日の朝までに別の村につけたとは思えない。だから、次の日のお昼くらいにミューくんが返信したとしたら、ユラちゃんがキユスでそれをうけとっても、おかしくない。
ユラちゃんは俺の謝罪に、溜飲を下げたらしい。満足げに一回、深く頷いている。
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