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ネクゼタリーさんとニニくんが喋っていたのは、タス達のこと、だって。
ふたりはとつとつと、説明してくれる。
それに拠ると、サーダくんは、俺の天罰の原因は、ニニくん達やタスにあると思っている。でも、ネクゼタリーさんは、ニニくん達はあまり関係ないと思っている。タスという、冒瀆魔法をつかう魔物が居ることが問題だ、と。
「ネクゼタリーあにさまは、レティアニナと、知り合いだったみたいで、彼は善良なひとで、だからきっと、今度のことも不幸な行き違いで、荒れ地おくりになんてなったんだって、そう云っていて」
ほーじくんはかすかに頭を振る。「ぼくは、あまり、知らないけど。あの……癒し手と、いっしょだから。遠征とか、魔物を退治する時は。ああ……」
ほーじくんは、もの凄く苦労していた。もともと、喋るのが得意な子じゃないのだ。それでも頑張って、俺に情況を伝えようとしてくれている。
こういう時、さきどりしてこちらがなにか云うのは、よくない。
ほーじくんは、言葉を見付けたみたいだ。小さく頷く。
「あの。マオは、知らないかも。ぼくみたいに、祇畏士になれるなら、なる前から、都をまもる為に魔物を退治に行ったりしてる。それは、公のご意向で、ひとが沢山参加するもので……ぼくは、サーダあにさまといつも一緒。癒し手とか、還元士も一緒で、まだ宣言してないひとは一緒にならなかった。でも」
ほーじくんは息継ぎをした。リッターくんは、口をはさまないでいてくれる。
ほーじくんが云っているのは、ミューくんが云っていたのとおなじ、行事……というのかな。だろう。魔物がまちを襲わないように、年に何回か、戦えるひとが集まって、魔物を退治する。神聖府から幾らか報酬が出るらしい。
「ネクゼタリーあにさまは、まだ宣言していなくてそういうのに来てる子達に、指導することがある」
「あ……そうなんだ」
なんとなく、先生っぽい雰囲気はあるなと思っていた。というか、みんなをまとめて、あれこれ指示するのに慣れている。物腰がやわらかいのに、有無を云わさぬ感じなのも、指導者、教師、っぽい。きっと今まで、沢山の子ども達を指導してきたんだ。
納得して頷く俺に、ほーじくんは困ったみたいに眉を寄せる。
「あの……でも、あにさまは、雑役だから、そういうの畏れおおいって、云ってて、でもレティアニナは雑役でも気にしないで、ばかにしないでいて、云うことちゃんときいて、怪我もしなくて、凄くいい子だったんだって」
ほーじくんは目を伏せて、やけに早口だった。




