表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4026/6876

3883


 次の瞬間、ニニくんが今の今まで居たほうを下にして、馬車が倒れた。それはレットゥーフェルの攻撃の所為もあるけれど、慌てたトゥアフェーノ達が逃げようとしたのもひと役買っているだろうとのこと。

「ほら、うしろに……魔物達の馬車がある」

 ほーじくんはしぼりだすように云う。「あれ、ダストが御者をしてた。トゥアフェーノ達、こわくなって、ダストのとこへ逃げようとしたんだと思う」

「それは、ありそうなことだな」

 リッターくんは腕を組んでいた。険しい顔付きになっている。

 俺は軽く片手をあげた。

「ねえ、どうしてニニくんが狙われるの?」

「……ハイオスタージャ卿は、お前がつれているレットゥーフェルと親しくしていた。それが関わりあるのではないか?」

 ああ……レットゥーフェル同士の、縄張り争い的なものがあるのかな。

 たしかに、リッターくんの云うとおり、ニニくんはしばらくタスにべったりだった。

 魔物は人間とは感覚が違う。もしかしたら、レットゥーフェル同士だとわかるような匂いがあって、それがニニくんについていたとか、ニニくんからタスの魔力を感じたとかで、タスの仲間だと認識して襲ったのかもしれない。


 リッターくんは腕を解き、ニニくんの口許を拭った。

「レットゥーフェル達は、マオのレットゥーフェルになにか云っていたな」

「うん……」ほーじくんはかすかに項垂れる。「ぼく必死で、なんて云ってたか、あんまり覚えてない」

「俺もだ」

 リッターくんは簡単に云って、肩をすくめた。

「だが、レットゥーフェルが人間と一緒に居ることを責めているようだった」

「あ……ああ、そうだ、ね」

 ほーじくんはぎこちなく、頷く。リッターくんは口を噤む。

 タスが人間と一緒なのは、ほかのレットゥーフェル達にとっては気にいらないことなのか。だとしたら、襲撃の原因は、タスを使役している俺じゃないか。

 でもそれならどうして、ニニくんなんだろう。あの時、タスはマルジャン達の馬車にのっていた。それに一番近い人間なら、御者をしていたダストくんなのに、どうしてニニくんを?


 考えてもわからない。「もしかしたら、タスがなにか知ってるかもしれない。明日、訊いてみる」

「ああ」リッターくんは小さく息を吐いた。「俺は彼に謝罪していない。ハイオスタージャ卿のことについて。ハイオスタージャ卿に、あのような怪我をさせてしまったことについて。マオ、もし可能なら、レットゥーフェルに謝罪してもいいだろうか。レットゥーフェルが気を悪くするかもしれないが」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ