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レットゥーフェルは複数居た。あちこちで戦いが起こっているのでなにがなにやらわからないし、正確な数もわからない。
ユラちゃんが特大の熱魔法をつかうが、レットゥーフェル達は飛んで逃げた。あいつらには飛行がある。カルナさんとミエラさんが戦いの構えをとっているが、槍と剣、槍と拳では、彼女達には分が悪すぎる。
リッターくんはなんとか、レットゥーフェルの攻撃をきりぬけていたが、反撃に出られないらしい。たまに変なタイミングであしが停まったり、呆然としているので、叫喚をつかわれているか禍殃をつかわれているかだろう。
ほーじくんが俺へなにか喚いて、ネクゼタリーさんをゆびさした。なに? なにを伝えたいの?
ネクゼタリーさんを見てはっとした。彼は武器を持っていない。怯えてうずくまるニニくんをせなかに庇っている。
ユラちゃんとリッターくんが倒れた。
頭がこれまでにない勢いで回転している。
ユラちゃんとリッターくんが倒れたのは、きっと冒瀆魔法の所為だ。なにかはわからない。叫喚? 愁夢? 偸利?
ふたりが狙われたのは、どちらも強いから。ああ、ほーじくんの高度が下がってる。ほーじくんも冒瀆魔法をくらってるんだ。でも、善なる魂持ちに、冒瀆魔法はききにくい。
リッターくんとユラちゃんが倒れたことで、レットゥーフェル達はカルナさんとミエラさんに襲いかかった。タスがその前に移動して、三本の槍を弾く。別のレットゥーフェルがネクゼタリーさんの首めがけて槍をつきだす。
まず偸利をつかった。偸利で、ネクゼタリーさんを狙うレットゥーフェルは倒れ、動かなくなった。
収納空間を開いて、武器をばらまく。けたたましい音でみんながこちらを見る。レットゥーフェルがこれを利用することはない。彼らには誇りがある。あの巨大メスみたいな槍をつかう誇りが。
ネクゼタリーさんがニニくんを抱えてやってきて、ニニくんを放り出し、大きな剣を掴んだ。刀身の下のほうには刃がついていない、長い剣だ。尋常じゃなく重たいそれを、ネクゼタリーさんはぶんぶんふりまわしながらレットゥーフェルへ向かっていく。
ダストくんが俺がばらまいた剣を拾って、やはりレットゥーフェルへつっこんでいった。サーダくんは手から血をこぼしながら飛行し、怪我をしていない手をレットゥーフェルへ向ける。
カルナさんが折れた剣を捨てて無事なものを拾った。ミエラさんと一緒に、一体をはさんで戦っている。
リッターくんとユラちゃんは動かない。
俺は息を吸う。「使役」




