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翌朝、いい香りで目が覚めた。これは、お魚を焼く匂いだ!
またしても同室だったので、ほーじくんを起こさないようにそーっとベッドを出た。まず洗顔をすませ、やっぱりそっと廊下へ出てお手洗いへ行く。お魚の匂い。
階段を降りて、食堂へ行くと、はやおきのダストくんとサーダくんが、並んで椅子に腰掛けていた。ダストくんの手になにかに嚙まれたようなあとがあるので、トゥアフェーノのお世話をしたあとなのだろう。
サーダくんの隣にはヨヨとシシが並んで座っている。大きなぬいぐるみが置いてあるみたいで、可愛い。
俺は鼻をすんすんいわせながら、ダストくんの隣へ座った。ダストくんとサーダくんは、甘い香りがするミルクティを飲んでいて、サーダくんが席を立ってどこかへ行き、同じものを持ってきてくれた。
山羊ミルクとお砂糖、バターいりで、お塩もほんのちょっぴりはいったものだ。甘いしお塩がきいていておいしい。
ニーバグ達はそれを飲めないのか、きらいなのか、今は要らないのか、とにかくフルーツを食べていた。ヨヨがマンゴーをむき、シシに食べさせている。
シシは完全に、ヨヨに甘えていた。猫なで声を出し、たまにヨヨに頬をすりつける。同じ群れのニーバグだったんだろうな、とまた思う。ヨヨが心配で、ひとりでさがしに来たんだろうか。無鉄砲というか、なんというか……でも、シシがヨヨを大事に思っているのは、しっかり伝わってきた。
すぐに、宿泊客達が集まりはじめた。別のグループのひと達が大きな声で楽しそうにお喋りしながら、ひとつのテーブルを占拠する。ひっきりなしの早口お喋りに、裾野らしいなあと思わず微笑む。裾野と云えば、これだ。大雨みたいに言葉が降り注いでくるようなお喋り。
なんとなく、俺の精神状態はよくなっているようだなと思った。井が近付いているからだろう。井にさえ行けば、言葉の問題は解決する。
ほーじくん達も起きてきて、席に着いた。従業員がトレイを運んでくる。ネクゼタリーさんが従業員になにか云い、ダストくんが遮る。トゥアフェーノや、マルジャン達の食べもののことだったみたい。トゥアフェーノ、とか、チャタラ、と聴こえた。
ダストくんとサーダくんがネクゼタリーさんに喋っているので、ふたりがみんなにご飯を運んでくれているみたいだ。そういえば俺、使役しているのにみんなをほとんど放り出していて、無責任極まりない。でも、ひとりで行動できないし、どうしたらいいかもわからないし……。
感想ありがとうございます。はげみになります。




