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ヨヨが封印されたのがどこか、ほーじくんは覚えてなかったし、ヨヨはくわしく説明できなかった。っていうか、その前に俺が言語:異世界をロックされたので、訊けていない。ヨヨ自身がはっきり覚えているとしても。
もし、シシがヨヨの群れのニーバグだとしたら、どうしてあんなところにひとりで居たのかが謎だ。
ヨヨの群れがそもそもこの辺りにあるのなら、あんな、群れからはぐれてやつれました、みたいな様子にならないだろう。ヨヨを捜索するにしたって、ひとりきりじゃなく、三・四人でひと組になってさがすと思う。だって、ヨヨが行方不明になっているのだから、警戒するだろう。
それとも、ひとり居なくなったくらいで、さがしにいかないのかな。ニーバグはよく、人間に駆使されているし、それってニーバグにしたらさらわれるって認識なのかもしれないし……。
ああもう、わからん。
ヨヨの群れがこの辺りではなくて、どこか離れたところにあるのなら、どうしてシシがそこからここまで来るのかがわからない。
群れからニーバグが居なくなって、例えば匂いを辿ることができたとしても、封印されたんならその場で匂いが消失している訳で。
ああ、ほーじくんがヨヨに触れて封印したんなら、ほーじくんにヨヨの匂いが移っているってことはあるか。それを追ってきたなら、荒れ地へ続く街道の傍に居たのはつじつまが合う。ほーじくんは馬車で行に行ったろうけど、ヨヨの匂いを追ってトゥアフェーノの匂いに途中でかわったら、馬車にのったんだと思いそうだし。
だとしても、ひとりでっていうのがなあ。危ないし、大変じゃん。
あ、でも、修復者のお気にいりだから、人間がちょっとした食べものくらいなら分けるのかもしれない。といっても、いいひとばかりじゃないし、修復者がなんぼのもんじゃいってひとにいじめられたりみぐるみはがされたりしそう。
いや、はぐようなみぐるみもないか。耳にガーネットのピアスがついてたり、ごつい金のブレスレットしてたり、もとの世界ならひと財産だけど、こっちでは落ちても拾いに戻らないくらいの安価なものだもんな。安価って云うか、もうほとんどただに近い。
シシはめそめそしながら、ヨヨに体をぶつけている。ヨヨよりも背は高いが、仕種は子どもっぽい。
サーダくんが立ち上がって、ヨヨに手を伸ばした。ヨヨはサーダくんと手をつなぎ、反対の手でシシをひっぱる。三人はその状態で、宿へ這入っていった。どうやら、ヨヨとシシは、宿に泊まるらしい。ニーバグだから、つれて歩いていてもなかなか、悪い印象は持たれないだろう。




