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 まちの中心部にある宿は、やっぱり厩舎が充実していて、馬車を管理するひとがちゃんと存在していた。ダストくんが姿を見せるととんできて、ぺこぺこしている。何度も村とレントを行き来しているダストくんは、顔を覚えられているらしい。

 ダストくん、これからも行商があるのに、ここの門衛にたてつくような真似して大丈夫なのかな。あ、だから、祇畏士であるほーじくんが代行したんだろうか。この子達、頭がまわる。俺には真似できない。

 ダストくんは馬車係であろうひとに、なにか説明しながら、トゥアフェーノ達を撫でてまわった。一頭々々、性質が違うから、その説明だろう。還元過多による魔物の襲撃で怯えてもいるようだし。

 ダストくんとちょっと話し込んでから、係のひとが、ユラちゃん達の馬車を移動させた。御者台にのって、トゥアフェーノ達をなだめて歩かせている。


 ダストくんはそれを見送って、マルジャン達の馬車の扉を開け、なかへなにか云った

 ちょっと間があって、ヨヨがおりてくる。例の、くたびれた様子のニーバグも、一緒だ。可愛らしく手をつないで、ヨヨはにこにこ、名前のわからないニーバグはめそめそしている。

 ヨヨがしきりと頭を撫でてあげたり、頬をむにむにしたりしているので、なぐさめよう、はげまそう、としているのかな。でも、ニーバグはたまに、ぽろっと涙をこぼした。なさけない顔で、ヨヨに頬をすりつけたり、ヨヨの耳をかじったりしている。ヨヨがいやがらないので、ニーバグ的には耳をかじる行為は普通にゆるされることなのだろうか。それとも、この子達が特別親しいのかな。

 ユラちゃんがそちらへ行く。ヨヨがはっとして、ニーバグをぎゅっと抱きしめた。ユラちゃんの不満そうな顔。

 ユラちゃんはふんと鼻を鳴らし、肩をいからせて宿へ這入っていった。リッターくんが無表情にそれを追う。サーダくんが苦笑いで、ヨヨ達に近付き、しゃがみこんで目の高さを合わせた。なにか話しかけている。

 ニーバグは人間の言葉を喋れないみたいだが、こちらの云うことをそこそこ理解はしている。サーダくんの言葉にヨヨは大きく、体全体をつかうような頷きを返した。それから、隣のニーバグをぎゅーっとしめあげる。ニーバグがぶえっみたいな呻きをあげた。

 ヨヨはぱっと腕を解いて、ぺたぺたとニーバグを撫でる。

「しし」

 ニーバグが頷いた。「しし」

 えーっと、シシって云うのか、あの子。やっぱりヨヨの知り合いなのかなあ。もしかして、同じ群れのニーバグ? それはないか。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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