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御者じゃないひと達は馬車には戻らず、みんなでかたまって歩く。誰かがそう云いだした、ということではないと思う。特に会話らしいものはなかったから。
ネクゼタリーさんがニニくんをはなそうとしないし、俺はほーじくんと歩いていたかったから、それでいいのだ。
馬車はというと、歩く速度に合わせてくれて、ゆっくり動いた。リッターくんもダストくんもサーダくんも、御者としての技術が高いらしい。まったく危なげない。
ハーバラムさん御用達の宿に着くと、前庭でダストくんが御者台をとびおりて、ほーじくんに後ろから抱き付いた。ほーじくんは振り返って、抱擁に応じている。ダストくんのせなかをぱたぱたと叩いて、ご機嫌そうだ。さっき、ダストくんがほーじくんに助言したのかな。そんな雰囲気ではあったけど……。
もしかして、と思う。
通行料をとる町は、あんまりない。というか、俺はあんまり経験したことがなかった。
レントは通行料、とらない。たまにお金を預かる場合はあるが、問答無用で全員から徴収するのではなくて、なにかしら理由があって預かるだけだ。それに、理由は説明される。
駆使魔法が解けたら大変なことになりそうないきものを駆使しているから、それなりの額のお金を預けて、もしそういう事態になったらお金は戻ってこない……というような、保険みたいなものである。
だからここの門衛達が、本当は必要ないのに通行料をとっていた、という可能性もあるよな。それを指摘されて、どこかに訴えるぞ、みたいなことになったら、門衛達も態度をやわらげるしかない。
その辺、入山経験者のダストくんは、意外と老獪なのだ。そういう助言をするというのは、ありえない話じゃない。
でも、タスとエクシザが居るから、ちゃんと馬車を検閲して通行料とるべきだったと思う。普段、必要なそうなひとからお金をとっていて、こういう時にとり損なうのだから、お笑いだ。
はじめてこの町に来た時、引率してくれたハーバラムさんはトゥアフェーノに馬車をひかせているだけで、危険ないきものはつれていなかった。トゥアフェーノはたとえ魔につかれても、弱すぎてちょっと戦えばすぐに魔が出ていくのである。
そしてあの時だって、門衛は馬車のなかをろくに見ずにお金を要求していた。やっぱり、正規のものじゃなかったのだろう。キユスでお金を払ったことはないし、ここだけ異質だったんだな。ハーバラムさんは、行商をスムーズにする為に、あえて云わないでいたんだろう。
何年越しで理解してるんだ、俺は。ほんと、にぶい。




