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ヨヨも泣いているらしかった。ニーバグを叩くように撫で、甲高い声で喚いている。ニーバグはずりずりと、馬車の床へ倒れた。泣き喚いて、ごろごろしている。
唖然とする俺達に、タスがなにか云った。
ユラちゃんが驚いたらしい声をあげ、ほーじくんとダストくんがぽかんとした。リッターくんは冷静に、なにやらタスに云う。タスが頷き、ヨヨが床でごろごろするニーバグを宥めるみたいに、ぺたぺた撫でた。
タスが喋り、ダストくんが溜め息を吐いた。ユラちゃんが俺の手をひっぱってステップをおりる。俺もステップをおりた。
ええと、どういうこと?
なんかわからんが、昼食が再開された。ダストくんに、マルジャン達用の食糧を運んでもらう。あのニーバグの分も渡したつもりだ。足りなかったらなにかしら要請があるだろう。
お握りを食べる。ディファーズ出身の皆さんも、普通に食べてくれていた。のりを分解できるのは日本人だけだとかなんとか聴いたことがあるような気がしていたが、こちらの世界のひと達はどこでものりはくうのかな。こっちでは海と云えばディファーズだし(シアイルにもあるけどディファーズのほうが海に面した場所がひろい)、もしかしたらディファーズのほうが、のりが沢山とれてたりして。
チーズと干し肉の減りがはやい。発酵タイプのチーズだから、みんな、塩分を求めているらしい。お握りはちょっとうす味だったかな。
ニーバグ、と食事を終えたユラちゃんが云った。ダストくんが応じる。ネクゼタリーさんとサーダくんが困惑気味になにか云う。ユラちゃんは、ニーバグのことを説明したみたい。ニニくんが傍らに立つネクゼタリーさんを仰ぎ、ネクゼタリーさんは小首を傾げた。
ミエラさんがなにか云い、カルナさんが猛烈に頷く。身振り手振りまじりで喚くように喋る。ほーじくんがちょっとだけ、不快そうにした。あの……あれなのかな。修復者の加護だとか、そういう話になっているのかもしれない。ほーじくん最近、その手の話に敏感というか、ちょっとぴりぴりしちゃうんだよね。どうしてだろう。
ニーバグ、という言葉が飛び交っているので、あのニーバグの話をしているのは間違いない。ティヴァインの兄弟とニニくんはもう口をはさまず、主に女性陣と、ダストくんが喋っていた。たまに、リッターくんがなにか付け加えるみたいに、ぼそっと喋る。
最終的に、なにかしらの決着はついたらしい。会話が終わった。カルナさんとミエラさんはなんだか嬉しそうだった。




