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荒れ地の砂って、なんかしらんがある意味ステイタスみたいなのだ。そういうものを時間とお金をかけて運ばせて、庭にまいている、というのが。
こっちの世界のひとの感覚はちょっとわからん部分もある。朽ちゆくものとか、うつろいやすいものに価値を見いだしていることが多い。銀とプラチナなら、希少っていうのもあるけど、すぐに黒ずむ銀のほうが価値が高い。何故なら、黒ずんだ銀を手入れする時間と余裕があるから。銅葺きの屋根も、錆びてるほうがいいんだっけ。
ああ、荒れ地の砂は、なにかの素材になるって云う話も聴いたな。がらすとかだろうか。砂の使い途なんて、がらすくらいしか思い付かん。
案外多いように思えた傭兵達は、町に雇われて警護をしているか、この辺りでレベル上げだろうなあ、と思う。
なんていうかさ。こっちの世界のひと達って、凄く意識が高い。そういうふうにいつも思う。俺には真似できない。してほしくもないだろうが。
子どもでも平気で魔物退治に行くし、難しい勉強に手をぬかないし、レベルを上げるのにわざわざ危険なところまで行くし。
俺から見れば、ほーじくんなんてまだ立派に子どもだ。それどころか、ダストくんだって子どもである。そんな彼らが、命を失うかもしれないのに魔物の多い地域に行くというのが、まずもって信じられない。御山に制限年齢があるから、っていうのもあるのかな。子どもだろうと、とにかくレベル上げでもなんでもしないと、御山にはいれない、っていう。
大人でも、そこまで危険を冒す必要ある? って思うことはある。アーシェさんみたいに、ひたすらレベル上げしてたひともそうだし、サフェくんも休みがとれたらレベル上げしたいと云っていた。
それに、まじで居るらしいから。行とかじゃなくて、単にレベル上げの為に荒れ地へ行くひと。
荒れ地で散々な目にあった俺からすると、正気かどうか疑う話である。でも居るんだと。まじでどうかしてる。
行は、だって、宗教儀式のひとつだし、祇畏士みたいなめずらしい職業のひとを死なせないように万全の体制で行くのが普通だろうから、危険といっても限度はある。
祇畏士じゃない普通の職業のひとが、祇畏士並みの魔物退治というのは、かなり厳しいものがあるだろう。傭兵を沢山雇っているとしても、恩寵魔法のあるなしでまったく違うと思う。
恩寵魔法の威力は、荒れ地に居た頃に理解した。主の恩寵の意味がわかる威力だ。




