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 ユラちゃんが来て、俺の袖をぎゅーっとひっぱった。馬車へのれ、ということだろう。そちらへつれていこうとしている。

 俺は苦笑いで頷いて、彼女にひっぱられるまま歩いた。ユラちゃんの、ふたつにくくった髪が、ふわふわしている。

 ダストくんがトゥアフェーノ達に囲まれたまま、ゆっくりと、ユラちゃん達の馬車の御者台へ近付く。サーダくんが腰をかがめるみたいにして、ダストくんになにか云い、ダストくんが応じた。ふたりは軽く、握手のような動きをして、ダストくんが後退る。トゥアフェーノがそれについていく。ぴいぴいと鳴くトゥアフェーノを、ダストくんはうまく宥めていた。ダストくん、トゥアフェーノに本当に好かれるよね。

 それを横目に見ながら、俺はステップをあがって、馬車へ這入った。カルナさんとミエラさんがすでにのりこんで、座っている。どちらも、さっきの戦いで疲れたのかな。お互いに凭れるみたいにして、すうすうと寝息をたてている。

 ユラちゃんがステップにあがって、なにか云おうと口を開いた、のだけれど、カルナさんもミエラさんも寝ているのに気付いたか、口を噤む。軽く肩をすくめ、あしおとを殺して這入ってくると、そっと扉を閉める。

 すぐに、馬車が動き出した。俺は、よれた袖を、なんとなく触った。


 どこに行くのかは知らない。みんな、俺が言葉を理解できないことに慣れてきたみたいで、口頭どころか身振りでの説明らしいものもなかった。無駄に手を煩わせるのはいやなので、それはありがたい。ぜんていとして、俺はどうせ、なにか説明されたところでなにもわからないのだ。

 還元過多による魔物の襲撃(……多分)があったばかりだし、街道を移動するのは危険なのだろうが、それってもしかして、レントだけの話なのかな。俺はこちらの世界の常識がないから、わからない。


 レントで還元過多による魔物の襲撃があった場合、周辺にまだ魔物が残っている場合を考えて、数日はロックダウン状態になるのが当然だった。レントだけじゃなく、その周囲のまちや村も。

 その間、警邏隊がレント近辺の魔物を狩ったり、還元に関してルール違反がなかったか調べたりする。だから、経済がかなり停滞する。食糧なんかは、警邏隊が特別に護送したりしているらしいが、くわしいことは知らない。

 でも、食べもの全体が不足することはなかったけど、チーズとか一部のものはなくなるってことはあったな。ってことは、需要が高いものを優先的に運んでいるのか。警邏隊も大変である。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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