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サーダくんとユラちゃんが喋っている。俺は置物のようにじっとしていた。ふたりはまた、例のぎこちない、どことなく敵対しているような雰囲気の会話をしている。どうしてここがぎくしゃくしているんだろう?
三分くらいで、ふたりの相談はまとまったみたいだった。それぞれ頷き、ユラちゃんが拳を突き上げるような動作をした。サーダくんが俺の手をひっぱり、俺はそれに従って外へ出る。ユラちゃんが後ろからついてくる。
外に出ると、前庭にダストくんが居た。マルジャン達の馬車と、ユラちゃん達の馬車も一緒だ。馬車はほとんど並んで停められている。
馬車をひくトゥアフェーノ達は怯え気味で、不安そうにダストくんをとりかこみ、しきりと撫でてもらいたがっていた。ダストくんはドライフルーツをあげながら、トゥアフェーノ達を宥め、頭を撫でている。彼は手を舐められ、軽く嚙まれているが、そのままにしていた。
トゥアフェーノはストレスが高じると、食べられないものを食べたり、石や食器などでものみこんだりしてしまう。変なものをのみこんで、それがきっかけで死んでしまうこともあるのだ。だから、ストレスを緩和する為に、ああやって安心させている。ダストくんならそれができるのだろう。
ダストくんは険しい、ほとんど不機嫌といっていいような表情をうかべていた。サーダくんが心配そうに、それに駈け寄る。ダストくんの不機嫌な表情は、サーダくんが話しかけてもかわらない。
随分、親しくなったんだな、と思った。ダストくんは本音と建前をつかいわけられる、器用な子だ。もし、建前だけで付き合いをするなら、なにか不服なことがあったとしても、相手に対してにこにこしていられるだろう。
でも、サーダくんには不機嫌さを隠そうともしていない。サーダくんに対して本音を出してもいいと判断している。
やっぱり、御山つながりでなにかあるのかな。御山は入学の年齢が一律じゃないから、少しくらいの年齢差なら同学年やその前後でもまったくおかしくない。年齢が下の先輩、なんてこともあるし。
ぼんやり考えていると、ユラちゃんが呆れ顔でダストくん達に近付いていった。ほーじ、とか、リッター、と聴こえるので、ほーじくん達のところへ行こうと云っているのかな。
ダストくんが苦笑いして、サーダくんの肩を軽く叩いた。サーダくんは頷いて、ユラちゃん達の馬車の御者台へのる。ああ、サーダくんも馬車を運転する技術を持っているんだ。
そんなことも知らない。




