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ユラちゃんがなにを誓ったのか、はっきりとはわからない。
だが、カルナさんが真剣な表情で頷き、ミエラさんもそれに追随したので、凄く悪いことではないのだろう。多分。
わからない。でも、ユラちゃんがちょっと満足そうだった。ユラちゃんはいい子だ。だから、ユラちゃんがなにか誓うのなら、それはいいことの為だと思う。
俺は、みんなを信じてるし、信じたい。
そんなばかみたいなことを考えた。
馬車が停まった。お午だからだ。俺達は馬車を降りて、体を解した。以前、ダストくんの村からレントへ向かった時は、荷馬車だったけど、そうじゃなくても体はこる。かたや股関節が痛かった。ちょっと動くと、体のあちこちからばきぼきと音が聴こえる。
街道っぽいところだった。道幅がひろいところの、隅っこに、馬車が縦列駐車してある。まだこの辺りは植物が豊かではなくて、幾らか木や下生えが見えるけれど、道かそうでないかの区別は轍があるかどうかを見るのが確実だ。この辺りはまだ石畳がない。
それで、気付いた。ダストくんの村、石畳が凄くあたらしかった。
前もあった……と思う。記憶があやふやだ。でも多分、あった。
それが、幾つかの部分で凄くあたらしい、立派なものにかわっていた。前はあり合わせのものを敷いたような雰囲気だったのが、そうじゃなくなっていたのだ。
いやもしかして、次の村の記憶かなあ、石畳。
だとしたら、前は石畳がなかったのに、あれだけ立派なものができた、ってことになる。どっちにしても凄い。
石畳が敷かれていない道もあったけれど、目抜き通り的なところにはしっかり敷かれていた。それだけ村が儲かっているのかな。
傭兵らしいひと達が何人も居たし、村のひとと親しげに会話している姿をちらっと見た。サイン商会がうまくいっているのだろうか。荒れ地近くの村は、荒れ地から魔物が来ることがあるから、みんなでお金を出しあって傭兵を雇い、防衛するのだ。
村全体を見たわけではないけれど、「豊かそう」ではあった。はちみつ漬けのケーキは、はちみつがたっぷりだったし、ナッツも新鮮でかりっとしておいしかった。なんとなく、羽振りのよさがあったのだ。いや単に、行に関わる祇畏士だから、手厚いもてなしだった、ということかもしれないが。
でも、もしかしたらだけど、警邏隊があの村にも常駐するかもしれない。すぐには無理でも、何年かしたら。もしくは、何ヶ月かしたら。
そうだったらいいな。ダストくん達は、それを望んでいるみたいだった。魔物の襲撃に備えて、信用のおけない傭兵を雇ってしまうことを、警戒していた。




