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 三人の話し合いはまだ続いているのだが、俺はほーじくんに手をひかれ、馬車へと歩いた。ほーじくんが、優しくだけれど、俺をそちら方向へひっぱるのだ。

 もう村のひと達とはお別れらしい。

 丁稚さん達が俺と握手したがったり、ほーじくんに触ってほしがったりする。それを頼んでいるのは、雰囲気でわかった。ほーじくんが微笑んで、彼らの額や耳、手の甲などへ触れ、彼らは喜んだらしい声をたててはなれていく。

 ほーじくんはその途中で、ニニくんの手も掴んだ。丁稚さん達へ触る時はニニくんから手をはなす。ニニくんは男の子達に、ちょっと怯え気味だった。

 さっと集まってきた女性達が、俺に小さな糸巻きや針のはいった袋をくれる。旅立つひとへ渡す、裁縫セットだ。なかをたしかめてそれがわかった。

 前ももらったから断ろうと思い、返そうとしたのだけれど、これはいつでももらうのが当然のものみたい。女性達はにこにこして、俺に頭を振り、裁縫セットをうけとってくれない。ほーじくんは小さくお辞儀して、懐へ仕舞いこんでいる。ニニくんや、ニニくん近くに居るカルナさん達も。だから俺も、最後には収納した。


 女性達は、俺達に裁縫セットを渡すと、満足げにはなれていく。荒れ地の村での別れは、しめっぽいものではない。

 (しゅ)の恩恵が、加護が充ちた世界で、たまたま知り合って、またはなれていく。なら、また、近付くこともある。だから淋しいことじゃない。そういう空気だ。旅立ちは、ここのひと達にとっては、どんなものであれ祝福されるべきことなのだ。

 馬車の傍まで来た。

 ぴょこぴょこやってきたユラちゃんが、裁縫セットを持ったままの手で、三台目の馬車の扉を開く。見るようにと手振りで促されたので、なかを覗いた。

 ぴいっとリャクークが鳴く。

 俺はきょとんとした。三台目の馬車には、マルジャン達がのっていたのだ。マルジャン達全員が。


 タスがなにか云った。タスは人間みたいに、馬車の座席に座っている。腕を組んで、ちょっと居心地悪そうに。その違和感が凄い。

 その隣には、マルジャンとヤラが並んで座っていた。座席の上にのっている、というべきか。彼らはちょっと心配げな表情をしていた。タスがそちらを向いてなにか云い、ふたりは大きく頷く。それでもまだ、すこし心配そうに見える。

 タスの向かいには、ヨヨが座っていて、こちらはにこにこしていた。手には小さな袋と、クッキーを持っている。お花の形の、スパイスが香るものだ。リーリさんがヨヨに渡してくれたのかな?


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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