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ほーじくんはニニくん達とお兄さん達を見たが、口をはさむつもりはないみたいで、ふいっと顔を背けた。リッターくんがほーじくんの肩を軽く叩き、低声でなにか云う。ほーじくんはこっくり頷く。ちょっとだけ淋しそうに見えた。どうしてかな。
ユラちゃんがクッションに座り、脚を投げ出している。クッションを積み上げているので、背の低い椅子に座っているみたいだ。俺達三人はその近くに行って、座りこんだ。俺以外の三人が、低い声で喋りはじめる。トゥアフェーノがどうとか、トゥレトゥススがどうとか云っている。
ユラちゃん達も、多分サーダくん達も、かし馬車で荒れ地へ突入したのだ。どこでかりたのかはともかく、かし馬車屋さんには組合みたいなものがあって、街道沿いにあたらしい馬車をかりられたり、かりている馬車を返せる場所があるらしい。そこで馬車を返して、トゥレトゥススの馬車をかりよう、みたいな話になっているのかもしれなかった。
それとも、ユラちゃんやリッターくんのお家の馬車の話だろうか? トゥアフェーノはトゥレトゥススに比べたら頼りないわ、可愛いけどそれは問題よね、みたいに、ユラちゃんがいつのもユラちゃん節をやっているのかもしれない。
ほーじくん達はしばらく喋って、リッターくんがキッチンへ行った。シアナンさんと話している。さっきはネクゼタリーさんがシアナンさんと喋っていたし、馬車についてなにか関わりがあるのかもしれない。ユラちゃんとほーじくんは、同じ言葉を何度か繰り返しながら喋っている。お経みたいに聴こえてしまう。
ニニくん達を見た。
ネクゼタリーさんはまだ、ニニくんを宥めるみたいにせなかを撫でているし、サーダくんは主にカルナさんに対して喋っている。カルナさんはたまにミエラさんに、意見を求めるような目を向けるが、ミエラさんは肩をすくめていて喋らない。
なにを喋っているのかは相変わらずわからない。
お手洗いへ行って、手を洗って戻ると、ラトさんとナジさん、それにシアナンさんが、おもやの近くで話していた。トゥアフェーノ、と聴こえるので、収穫についてかもしれないし、馬車についてかもしれない。
お手洗いに立った俺についてきてくれたほーじくんが、三人の傍へとことこ駈けていった。ナジさん達はぺこっと頭を下げて、ほーじくんになにか云っていた。
ほーじくんの隣へ並ぶ。ほーじくんの表情がやわらかいので、心配は要らないだろう。
サーダくんが出てきて、俺とほーじくんを呼んだ。




