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 ディファーズとしては、神聖公含む上層部の失態ととられかねない事態は、避けたいに違いない。

 だから、ニニくん達が反省したから神さまにゆるしてもらえた、ということにする。つまり、反省を促す為に自分達が罰を与えたのは正しい、ということにするのが、一番安全なのだ。

 聴いた話だけれど、信仰告白、だから宗教的な反発による活動は、ディファーズでは年々、勢いが増しているらしい。十年くらい前にもあったそうだが、「神聖公の意向」を第一として動いているディファーズでは、そうやってたまに不満がふきだし、社会的な運動になってしまう。それを鎮めるには、「異端」を徹底的に弾圧するか、自分達の価値を高めるか、どちらかだ。

 十年前には、癒し手拒否は国外追放程度だったのに、ニニくんが荒れ地に送られたのだから、異端を弾圧する方向へ舵を切ったのだろう。もしくは、ニニくんが上流階級のお家の子だから、特別厳しい罰があったかだ。

 俺はそういう、同じ情況なのに立場で罪状がかわるのがきらいだ。やっぱり神聖公の、というか神聖府の考えは、俺にはあわない。


 今こちらでは、世界的にかつてないくらい異常気象が問題になっていたり、海の水位が下がったり、土地がなくなったりしている。

 それもあってか、信仰告白の起こるスパンは短くなっている。その辺りは、歴史の本で学んだから知っていた。

 十年くらいで信仰告白がまたはやるなんて、異常らしい。昔は、数十年、もしくは百年程度の時間をかけて、神聖公への不満が徐々に高まり、信仰告白として噴出していた。

 異端をおさえこむだけでは、神聖公の正当性を示すことが難しくなっている、ということだと思う。信仰告白のはやりは、その象徴だ。

 神聖公の云うとおりにしていたって、異常気象も水位の下降も地震もなくならない。それが人心が離れていく原因になっている。だから、短いスパンで信仰告白がはやる。神聖公が正しいならどうして(しゅ)はわたし達に試練をかすのか? 神聖公や国府は間違っているのではないか? そういう気持ちが醸成されているのだ。

 神聖府は、ニニくん達を利用できるだけするだろう。いろんなところへひきずっていって、自分達が罪を犯したこと、裁かれたこと、反省したら(しゅ)にゆるしてもらえたことを喋らせる。そういう、講演会のような催しが行われる、と思う。それに、神聖公の近くに居るような役職が与えられるなんてこともあるんじゃないかな。

 自分達を死刑にした人間の為に伝導のような真似をすることが、三人にどんな影響を与えるか、考えたくもない。


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