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おもやへ戻ると、ニニくん達三人も食事をしていた。カルナさんとミエラさんは、村の女性達に気にいられたんだろう、あたらしい服を着ていて、ちょっとはずかしそうだ。バドさんとリーリさんがふたりの近くに居て、喋りかけ、ふたりはそれに応じている。ふたりともはにかんだ様子だが、リーリさんがなにか云うとくすくす笑った。
ニニくんはリッターくんの近くにちょこんと座って、マンゴーを食べている。見ると、じゅうたんの上にはマンゴーやバナナの盛られたかごが置いてある。俺も朝ご飯もらえばよかった。
ユラちゃんがぴょんっとじゅうたんへ座り、マンゴーへ手を伸ばした。普通なら小刀でマンゴーを切るのだが、ユラちゃんは風の魔法でさくっと切った。切れ目をいれ、くるっとひっくり返して食べている。かごのなかに、マンゴー用の小刀あるんだけど……。
ニニくんがユラちゃんを、驚いたみたいに横目で見ている。わかるわかる。ユラちゃんって、魔法のコントロールがほんとに凄いんだよね。俺が魔法のコントロールがいまいちって云うのもあるが、ユラちゃんは魔法に慣れているこちらの世界のひとでも驚くくらいに正確だ。このマンゴーって皮がうすいから、小刀でも気を付けないと皮を切ってしまうのに、魔法でやって事故らないところが信じられない。
それに彼女は、魔法じゃなくていいような場面でも、魔法をつかう。コントロールの訓練なんだと思う。
俺はほーじくんの隣へ座る。ほーじくんとリッターくんはもう食事を終えていて、低声で喋っていた。なにか、相談しているような雰囲気だ。しきりとほーじくんが頷いている。
サーダくんはキッチンに居て、丁稚さん達に話しかけていた。丁稚さん達が恐縮した様子だ。サーダくんは眉を寄せ、心配そうにしている。ダストくんのことを訊いているのかもしれない。
マルジャン達、ごはん食べてるかな。誰かが伝えてくれてると思うけど、姿が見えないからわからない。大丈夫なんだろうか。
ほーじくんを信用すると決めたけれど、マルジャン達とひきはなされているのは不安だ。何故そんなことになっているのかもわからないし、マルジャン達が今、どうしているのかも、わからない。
こっそりメニューを開いて確認する。状態異常にはなっていない。タスとエクシザの熱中症も、よくなっている。水分・塩分をきちんと摂取して、日陰にいるのだろう。魔力の多寡はメニューではわからないから、魔力の枯渇が心配になり、使役している全員に魔力を譲渡しておく。
そんなに魔力が減った感じもしない。魔力も充分ってことかな。ほんとにどうして、会えないんだろう?




