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おもやのほうから、サーダくんの悲鳴が聴こえてきた。俺達三人はびくっとして、そちらを見る。
ほーじくんがユラちゃんになにか云って、そちらへ走っていった。ユラちゃんが甲高い声でほーじくんへ叫び、追いかける。俺はちょっと迷っていたが、結局ふたりに続いた。なんか、笑い声が聴こえるんだけど?
戸口の辺りで、ほーじくんとユラちゃんは立ちすくんでいた。どちらもぽかんとしている。
俺はほーじくんの腕を掴み、すきまをつくっておもやの居間を覗きこむ。ダストくんとサーダくんが床の上でもつれあっていた。ダストくんは上半身裸だ。……うん?
ふたりとも、笑いの発作に見舞われていた。ダストくんが割れ鐘のような大声で笑い、サーダくんがたまに悲鳴をあげる。なにしてんの、このふたり。
十秒くらいで意味がわかった。ダストくんとサーダくんは、床掃除をしているのだ。いつの間にかじゅうたんはなくなり、お鍋やパンかごなどはキッチンへ避難させてあって、クッションもどこかへ消えている。雑巾が散らばっているし、ばけつがふたつあるので、お掃除をしようとしているのは間違いがない。あ、ダストくんのチュニックとローブも落ちてる。袖が濡れるのがいやで脱いだんだろう。
しかし床掃除は、相当効率の悪いものだった。ダストくんが頻繁に、サーダくんにちょっかいをかけるのだ。
サーダくんの髪をひっぱり、後ろから抱き付いて床へ倒し、のしかかってチュニックをまくりあげてくすぐり、抱きかかえて転がり、やりたい放題している。サーダくんはたまに悲鳴をあげながら、でも笑っていた。笑いすぎて苦しいみたいで、身を折っているのだが、ダストくんがそれを転がしたりしてまた笑わせている。
ユラちゃんがはあっと息を吐き、目をぐるりとまわした。ふたりに背を向けて、地団駄を踏む。
ほーじくんは居間へ這入っていって、ダストくん達を停めようとしたみたいだったが、ふたりが子猫のようにじゃれ合っているのが面白かったらしく、小さく肩を震わせていた。それに、このふたりの状態は、さっきの俺達に近い。だからか、ほーじくんはふたりに近付くのを諦めて、ばけつのほうへ歩いていく。
サーダくん、かなりぴりぴりしてたもんな。ダストくんのおかげで気持ちが解れるのなら、嬉しい。
俺も居間へ這入っていって、ほーじくんの近くへ行った。ほーじくんは雑巾を拾い上げ、俺へ向かって小首を傾げる。俺はふたつのばけつの中身をたしかめ、どちらがただのお水でどちらが洗浄剤いりかを判断した。御山でつかっていた、食べもので汚れたテーブルを拭く為の洗浄剤と同じものが、ばけつのお水に溶かされていた。
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