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 ニニくんが治療するあいだも、ユラちゃんは猛烈に文句を云い続けた。治療が終わるとネクゼタリーさんがニニくんをさらっていって、そのままどこかへ走り去る。

 ユラちゃんは段々と涙目になっていって、リッターくんだけでなくほーじくん、それにサーダくんやネクゼタリーさんの文句も云っているらしかった。言葉の途中に人名がはさまるので、それはわかる。

 最終的に、ユラちゃんはむっとした顔で、俺にタックルしてきた。俺はよろけ、でもユラちゃんなのでなんとかうけとめて、倒れることは回避した。

 ほーじくんが慌てた様子で、俺のせなかに腕をまわし、支えてくれる。ユラちゃんは俺にしがみついて、服に顔を埋め、涙をこらえているらしい。

 リッターくんがのっそり立ち上がった。数回、咳込み、とことことこちらへやってくる。ユラ、と云いながら、ユラちゃんの肩を揺すぶるが、ユラちゃんは俺から離れようとせず、まだまだ、甲高い声で文句を喚いていた。

 不安なのは、俺だけじゃない。それにはっきりと気付かされた。ユラちゃんだって不安なのだ。いきなり俺に言葉が通じなくなったことで。

 俺は微笑んで、ユラちゃんの頭を軽く撫でた。ユラちゃんは動かず、喋るのも辞めている。リッターくんがほーじくんに喋りかけて、おもやのほうへ歩いていった。


 一分くらいで、ユラちゃんははなれていった。ささっと目許を拭い、口のなかでなにか云うが、すぐに黙る。

 俺を見て、ほーじくんを見て、ユラちゃんは鼻に皺を寄せた。ぴょんっと跳ねるようにしてなにか云い、腰のベルトに通しているポーチから、魔力薬の包みをとりだす。ひと粒もらった。というか、おしつけられた。ほーじくんもだ。

 ユラちゃんは自分もひと粒、魔力薬をとると、包みをポーチへ戻した。口へ含み、のみこむ。くいっと顎をしゃくるので、俺もほーじくんもそうした。まずい。

 ユラちゃんは俺達が魔力薬を()んだので、満足したらしい。深く頷いている。

 ほーじくんと目をかわした。ほーじくんは戸惑っているみたいだが、軽く肩をすくめ、微笑む。俺も微笑み返した。

 もしかしたら、シアイル流のなにかなのかな? 仲直りとか、絆を深めるような行動なのかもしれない。騒いでごめんね、とか。

 はっきりしたところはわからないが、ユラちゃんなりに気を遣ってくれたのははっきりしている。だから俺はユラちゃんに対して、軽く頭を下げた。

 ユラちゃんは面喰らったらしい。でも、すぐにふふっと笑った。ちょっと苦笑気味だけど、笑ってくれたからいいや。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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