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 ダストくんは手際がいい。サーダくんは、お料理に慣れていない感じだったものの、丁寧に手伝いしていた。漂ってくる香りがどんどんいいものになっていく。

 ダストくんが軽く腰をかがめてサーダくんに顔を近寄せ、なにか云うと、サーダくんはくすくすする。やっぱり、知り合いなんだろうか。御山(おんやま)経由で。

 サーダくんがまないたを持ち上げて、刻んだナッツをお鍋へいれた。まないたがあるのも、もしかしたら転移者のおかげかもしれない。手に持ったまま切るなんて、こわくてできないから、助かっている。

 お鍋をちょっとの間まぜてから、ダストくんはかまどから薪を外して、サーダくんに身振りした。サーダくんがこちらへ向けてなにか云うと、近場につったって、どうやらユラちゃんに文句をいわれている様子のリッターくんがそちらへ行き、お鍋を運んできた。ルルさんとバドさんが楽しそうに笑いながら、鍋敷きを用意する。鍋敷きもカラフルで、おそらくドールさんのてづくりだ。ドールさんはなんでもつくれる。

 リッターくんが鍋敷きの上にお鍋を置いた。その間に、ダストくんとサーダくんは出ていってしまった。多分だけど、パンをもらいに行くか、ナジさんやドールさんに報告に行くかだろう。

 天板を運んできてくれたのはナジさんとドールさんだけど、その後は姿を見ていない。天板を運んでいくのはバドさんかルルさんか、丁稚さんだった。

 リーリさんがオーブン係だそうだから、ナジさん達はそのお手伝いをしているのかもしれないし、俺達のことでなにか話し合いでもしているのかもしれなかった。


 この村では普通、重要な話し合いは長老達がやるもので、女性はまざらないそうだ。だが、入山経験者であるドールさんは特別に出席するのだと、なにかの折に聴いた覚えがある。その時は随分父権的だなあと思った。そもそも「長老」自体、たしか、息子が居てなおかつ息子が入山経験者である男性に限られる筈だ。だからヤームさんは長老じゃない。

 でもそれも今になると、そこまで眉をひそめるようなものとは感じない。

 だって、入山経験者なのだ。賢いか、体が丈夫か、魔法を沢山持っているもしくは大きな魔法をつかえるか、めずらしい適職があるか、めずらしい特殊能力があるか、その複数か、が、入山経験者である。

 当然、努力はあるが、資質は必要になる。で、そういったものが代理父母を選ぶ基準になる、という話も聴いた。ある程度は遺伝するものなのだ。ということは、入山経験者の親にもそういう傾向があると考えられる。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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