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ダストくんは申し訳なげだったが、サーダくんは鷹揚に頭を振っている。手にしたマグを覗いてからなにか云い、ダストくんににっこりしていた。ダストくんも、つられたみたいににっこりする。廃帝花のことを云ったんだろう。ほんとに、ダストくんって誰とでも仲好くできるよな。サーダくんがこんなに打ち解けた様子なの、見たことないかも。
ダストくんはさっき、ほーじくんとも親しげに喋り、接していた。ほーじくんはそんなに愛想がいい子ではないんだけど、ダストくんには自然ににこっとしていた。ダストくんのこの親しみやすさは、商売にはとても役に立つだろう。
レントにお店を出すって云う話はどうなったのかな。
リエナさんとサローちゃんの妊娠、ツァリアスさんやリーニくんの体調、同期のみんなが今どうしているか、四月の雨亭のこと、御山は今どうなっているのか……気になることは沢山あった。
喋れたら、訊けるのに。
聴きとれたら、わかるのに。
お茶はスパイスがきいていて、廃帝花の甘みがじんわりとおなかをあたためてくれた。前は廃帝花のはいったお茶をもらったことはない。行に来たひと達にだけあげるのか、俺が喋れなくなっているからドールさんが魔力に気を配ってくれたのか、どちらかだろう。それとも、今が廃帝花の時期なんだろうか。
ダストくんとサーダくんは楽しそうに笑いながらお喋りしている。ナジさんが布包みを手に、丁稚さん達と戻ると、ダストくんがサーダくんの手をひっぱってそちらへ行った。ダストくんは胸をはって、威張るように喋り、サーダくんが軽くお辞儀する。まるで、恋人をつれてきた、美人だろと自慢しているようだ。
丁稚さん達がくすくす笑った。ナジさんはちょっと息子を睨むが、すぐに表情をやわらげる。丁稚さん達がサーダくんと握手し、そのまま軽くハグしている。ダストくんはにやにやしていた。
セムくんは居ない。お家に戻っているのかもしれないけど、ヤームさんの(だからセムくんの)お家には、ネクゼタリーさんとニニくんが行っている。セムくんはニニくんに飛びかかろうとしていたし、顔を合わせるのはまずい気がするから、もしセムくんがお家に居るのならヤームさんはふたりをつれていかなかっただろう。
ナジさんのお家には、丁稚さん達のつかっている棟もある筈だ。収穫に頻繁に出るからか、丁稚さん達はほとんどが住み込みである。そこで寝かせているのだろう。それにしてもセムくんは、どうしてニニくんへ飛びかかろうとしたんだろう。




