表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3913/6874

3771


 こういうのは祇畏士にそぐわないのだろう。大声でやりとりするというのは。

 それに、向こうの好意でおせったいしてくれている場なのだ。そこでこんなに激しい口論をするのは、幾らなんでも礼を失している。祇畏士だろうとそうでなかろうと、ナジさん達に失礼である。

 サーダくんが停めてくれないかと、ちらっと見たのだが、サーダくんはしかめ面だがそういうそぶりは見せなかった。胸の辺りにまで持ってきていたゴブレットをテーブルへ戻し、ほーじくんへなにか云う。

 その声の調子と表情から、サーダくんはネクゼタリーさん陣営についたとわかった。ほーじくんを責めるか叱るかしていて、ネクゼタリーさんが正しいと応援しているのだ。仲裁は仲裁だろうが、サーダくんらしくない、なんとなくいやな感じの声だった。

 まったく意味がわからない。


 破局は突然やってきた。ニニくんが席を立ち、出入り口の布をおとしかねない勢いで外へ出ていったのだ。

 ほーじくんもネクゼタリーさんもはっとした。ネクゼタリーさんはほーじくんの手を、テーブルへ叩きつけるみたいにしてはなし、ニニくんをおった。ほーじくんが口を大きく開け、席を立つ。

 ほーじ、とユラちゃんが云った。ほーじくんがそちらを見る。ユラちゃんは渋い顔だった。ほーじくんを見ずに十秒くらい、ゆっくりと喋った。ほーじくんが眉を寄せて、なにか云い返す。

 ユラちゃんがそれに応じると、ほーじくんは不満そうに椅子へ戻った。リッターくんがなぐさめるみたいに優しい声を出しながら、ほーじくんへはちみつ漬けのケーキの器をおしやる。

 サーダくんはむっとしているし、俺は生きた心地がしない。

 ほーじくんは立って、ナジさん達に近付き、謝ったらしい。ナジさん達は頭を振って、食事を示した。そんなことはいいから、食べてください、という意味だろう。ほーじくんは戻ってきて、哀しげな目で食事をはじめた。何度か、右手をつかう場面で、痛そうにしている。


 ネクゼタリーさんとニニくんが戻ってきたのは、食糧が半分くらいになってからだった。ネクゼタリーさんがまっさきに、ナジさん達に謝っている。ナジさん達はやっぱり、食事を示す。

 ニニくんは席について、ほーじくんの右手を治療してくれた。その顔に、表情はほとんどない。ネクゼタリーさんが座り、ニニくんに優しく喋りかけた。

 俺は山羊の炊き込みご飯をなんとか飲み込んでいたが、味がわからなくてそこで辞めた。席を立ち、お手洗いへ向かう。ここは何度も来たことがあるから、場所は知っている。

 外に出てお手洗いまで行く途中で、こちらへ戻ってほーじくんと再会してから、彼が祈りを捧げる場面を見ていないことに気付いた。


感想ありがとうございます。

ネクゼタリー敵にまわすと厄介まじでそうですね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ