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俺はほーじくんと目を合わせたが、すぐに逸らす。ほーじくんが気まずそうにしていたからだ。どうして、俺の隣に来るのが気まずいんだろう。
誰かが窓を開けた。数枚の板をつなげた扉がついた窓だ。がらすはない。
窓からオレンジ色の光がさしこんできた。もう日が暮れる。
丁稚さん達がユラちゃんから逃げまわりながら、魔法の灯を点した。奥から、シアナンさんとヤームさんで、大きな金属製のお皿というか、トレイのようなものにはいった、湯気のたつ山羊の炊き込みご飯を運んでくる。トレイには左右に把手がついていて、シアナンさんとヤームさんは声をかけて同時に腕を上げ、テーブルにそれをのせる。
リーリさんがリッターくんになにか云いながらテーブルを示し、席へ案内した。リッターくんは頷いて、リーリさんと喋りながらやってくる。俺の正面に座ってからも、まだ、リーリさんと喋っている。
サーダくんは、ナジさんとにこやかに会話しながら席に着いた。ナジさんは凄く嬉しそうだ。そういえば、俺がダストくんの一行に加えてもらって、この村へ向かっていた時、魔物に襲われて、助けてくれたのはほーじくん達だった。勿論、サーダくんだってあの時戦ったのだ。俺はいろいろ、衝撃が凄すぎて、はっきりとは覚えていないけれど。
ナジさんは怪我を治療してもらっていたっけ。あの時のお礼でも云っているのか、ナジさんは何回かサーダくんに頭を下げていた。
ユラちゃんが地団駄を踏んでから、どすどすと歩いてきて、俺の隣に陣取った。ほーじくんとは反対側だ。ユラちゃんはむすっとしていて、テーブルへ頬杖をついたけれど、クッキーを見ると真顔に戻った。さっと姿勢を正し、お行儀よく座る。
女ものの服にかえたカルナさん達が戻ってきた。ゆったりしたスカートのワンピースに、袖のたっぷりしたローブを羽織っている。ヘジャブもつけていた。あれは要するに、砂除けだ。
ふたりは、ドールさんに促されて席に着く。並んで座ってから、どちらもまわりを見た。ニニくんをさがしているのだろう。
ニニくんとネクゼタリーさんは、丁稚さん達をかきわけるようにしてテーブルに近付いてくる。ほーじくんがはっとした様子で腰をうかせ、そちらへ向かった。苦い表情でニニくんの腕を掴み、ひっぱって、自分の隣に座らせる。ネクゼタリーさんは微笑んでいたが、ニニくんの隣になったミエラさんに、丁寧な調子でなにか云うと、ミエラさんが席を立った。ネクゼタリーさんがそこに座る。
ほーじくんがそれを睨む。




