表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3335/6879

3201


 あ、そうだ。

 夜にでも、四月の雨亭にお手紙を出しておこう。チェスくんがレントに居る間、お菓子を配達してほしいって。

 四月の雨亭は配達に対応してる。お昼になると配達の為に雇っているひと達が、レント中を走りまわって、お弁当を配達しているのだ。勿論、お菓子だけを配達することもある。なかには塾や習いごとの教室なんかで、子ども達に出すおやつを大量に買ってくれるところもあって、だから第二の厨房は、今は大忙しらしい。

 チェスくんに毎日お菓子を、というのは、不可能な話じゃないだろう。俺が居なくなってからもそれが続くように、貝貨を沢山渡しておけばいい。チェスくんが大人になるまでくらいなら、できると思う。

 周囲の情況をかえることが難しいのなら、せめて食事に逃げるくらいできないと、爆発してしまう。それに少なくとも、魔法の練習をみっちりやっているのなら、お菓子は完全な害にはならない。甘いものは魔力を補うから。


「マオさん?」

 はっとした。ミューくんと目を合わせる。彼は、ちょっと訝しそうに小首を傾げた。「ないですかね、おからのやつ」

「え? あ、ううん、あるよ。はい」

 おからクッキーがないか、訊かれていたみたいだ。俺は微笑みをつくって、収納空間からおからクッキーの紙包みをとりだす。

 ミューくんに渡すと、嬉しそうににこっとしてくれた。俺はそれにつられて笑い、別の紙包みをとりだす。「こういうのもあるけど」

「なんですか?」

「きなこのクッキー。きびだんごにまぶしてあるやつ」

 何度か、みんなにもきびだんごをあげたことがある。ミューくんはそれを、ちゃんと名前も覚えていたみたいで、こっくり頷いた。

「ああ、香ばしくって、甘いやつですね」

「うん。おからと、原料は一緒だよ」

「あ、そうなんだ。味、あんまり似てないけど」

「そうだよね」

 ちょっとだけ声をたてて笑いあった。

 ミューくんはきなこクッキーの包みもうけとって、早速開く。ユラちゃんがマシュマロクッキーを、器用に魔法であぶっていた。マシュマロがぶくぶくなってておいしそー。ユラちゃんも頑張ればお料理上手になると思うな。お料理の原動力って、食欲だと思うの。

 ヒカリ先生が唐突に、湖へ向かって走り出した。癒し手の先生がそれに続きながら、こちらを見て云う。「ファバーシウス卿、来なさい」

「はい!」

 ミューくんが即座に応じ、クッキーの包みをじゅうたんへ放り投げるように置いて、癒し手の先生達を追いかけた。これって……リッターくんになにかあったってこと?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ