3197
ユラちゃん、それにミューくんも承知したので、俺はその場に残って、なくなったものの捜索を手伝うことになった。
ユラちゃんとリッターくんが、湖へ向かって歩いていく。俺はふたりに軽く手を振って、ミューくん達へ向き直る。「じゃあ、さがそっか」
占い師の占いは、ほとんどあたるらしい。ただ、「宣言に適した時期・等級」以外はひとによって得手不得手があるので、確実にこの近辺にすべてがあるかどうかはわからないそうだ。
リエナさん達は、占い師の的中率は凄い! と云っていたけれど、それって井に居るような占い師だけで、それ以外だと職業が占い師でも能力にばらつきがあるみたい。占い師じゃないひとよりは断然あたるけど。
俺は、ふたりがもうさがしたところをさがした。他人にさがしてもらうと、自分が散々さがしたところからなくしたものが出てくる、って、よくあるし、俺とふたりでは見えているものが違う。だからそうした。
三十分くらい、それぞれの姿が見える範囲で捜索をした。結果、ミューくんがヘアピンを拾い、ヴェールが木の上のほうにひっかかっているのに俺が気付いた。とったのはミューくんだ。風の魔法で、傷付けないように枝から外していた。
「ありがとう、マオ」
「うん。あとは、耳飾り?」
ほかはもう見付かっている。だからそう云うと、ジーナちゃんは頷き、ミューくんは苦笑いになった。
「いや、もう充分です。耳飾りみたいな小さなものは、見付かりませんよ」
「ミュー、でも」
「いいよ。君はまじないを心配してるんだろ? あんなもの効力はない」
ミューくんは切って捨てて、はんと笑った。「さいわい、呪術師も居ないし、安全だよジーナ」
「そうかしら……」
俺はくわしく知らないけれど、男性が身につけていたピアスをつかったおまじない、というのは、どうやら十代の少年少女の間では有名なものらしい。恋愛に関するおまじないらしくて、ジーナちゃんがミューくんのピアスをつかってそれをしていたと見えるような工作もされていた。
ジーナちゃんはそれを危ぶんでいるらしいが、ミューくんは辛辣だった。
「まじないなんて、呪術師にでもしてもらわなくちゃ、気の所為か勘違いにすぎない。俺は絶対に、まじないの所為で誰かを好きになったりしない。それとも、俺をそんなまぬけだと考えてるのかな、ジーナ?」
「そうではないわ」
「なら、さがしものはここまでだ」
ミューくんはそう打ち切って、こちらを向いてにっこりした。
「マオさん、湖の傍まで送りますよ」




