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厚手のじゅうたんを敷いて、三人でその上へ座った。そろって、食前のお祈りをする。ほーじくんは、今頃なにをしてるだろう。お昼のお祈り中? ミューくんと一緒に、ご飯を食べているかも。
逃走する前に、みんなで集まれたらいいな。
わがままなのはわかってる。でも、みんなと少しでも長く一緒に居たい。特に、ほーじくんとは。
本当は離れたくないくせに、どうしてものわかりがいいふりをしてしまうのかな。
ユラちゃんとリッターくんは、黙ってご飯を食べている。シアイル人としては普通のことだけど、最近は食事中でもたまに喋っていたユラちゃんが、今日はまったく喋らない。
集中しているのか、なにか考えこんでいるのか、それとも、リッターくんを刺激しないように黙っているのかな。ユラちゃんって、結局は優しい子なのだ。
俺はサンドウィッチを食べ尽くし、収納空間からおかわりをとりだして食べている。俺は鍛錬なんてしていないが、ふたりの鍛錬を見るだけでも疲れたし、はらはらして魔力も減った気がする。だから、沢山食べてもいいのだ。
と、いうか、冗談じゃなく、こっちに来てから前よりも燃費が悪くなった気がする。低血糖も起こしやすい。
やっぱり、消費魔力の重い魔法って、持ってるだけで魔力をくうのだろう。そういう魔法を持っていても魔力が低いひとが、はやめに魔法屋へ売っ払っちゃうのって、魔力が低いからどうせつかえないっていう理由だって聴いてたけど、きっと持ってるだけでも体がきついんじゃなかろうか。
魔力:優でよかった。だって冒瀆魔法だぜ。魔法屋へ気軽に売りに行けない。そんなことしたら、即滅却である。
「ユラちゃん!」
食後、お茶を淹れて配った頃、元気のいい声がした。ユラちゃんがぱっとそちらを見て、あきれたような顔をする。「リオ」
リオちゃんは小走りにやってきて立ち停まり、後ろ手を組んだ。さらさらの金髪を揺らしながら、ちょっと前屈みになり、ユラちゃんを見ている。今日もいつものリボンをつけ、もう授業はないのに制服姿だ。
「うふふ、ユラちゃんこわがってるのじゃないかしらと思って、はげましに来たの」
「はあ? わたしは宣言くらいで怖じ気づかないわよ」
「でも、リオだって直前はこわかったわ。ね、サキちゃん、だからふたりをはげましに来たのよね」
リオちゃんは姿勢を正して背後を見る。ちょっと困ったような微笑みで、やはり制服姿のサキくんが歩いてきたところだった。リオちゃんはにこにこ顔で、サキくんの腕をひっぱる。




