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 リッターくんは淡々としていて、それはいいな、と云った。ユラちゃんはなにか云いたそうだったが結局なにも云わず、こっくり頷く。なので、俺は来年の八月以降、どこかのタイミングでメティへ行くことになった。

 そんな、履行できない約束をした。


 呼び出しはまだなくて、俺達はお祈りの鐘を聴きながらシアイル寮舎へ戻った。厨房へ這入り、三人並んで手を洗う。ユラちゃんは踏み台をつかっている。全然、背が伸びないなあ。

「食べたいもの、ある?」

「マオのつくるものなら、なんでもいい」

「ねえ、わたし、外で食べたいわ」

「じゃあサンドウィッチにしようか」

 ふたりが頷く。リッターくんは無表情ででも少しだけ嬉しそうに、ユラちゃんは目をきらきらさせて。

 いつ呼び出しがかかるかわからないし、調理中に呼び出される可能性もある。なので、収納しているものを組み合わせて籐かごへ突っ込み、外で食べることにした。

 サンドウィッチは、雑穀のまざったパンをうすめにスライスしてバターをぬり、こちらもうすく切ったハムとチーズ、しゃきしゃきのレタスと、お水にさらしたスライスたまねぎ、ソースをはさんだ。ソースは、ゆでたまごを粗みじんにして、水切りヨーグルト・お塩・白こしょう・タイム・パセリ・ローズマリーであえたもの。

 クラッカーとサルサ、ボイルしただけの腸詰めと粒マスタード、芽キャベツとコーンの塩こしょう炒めも、それぞれ容器にいれてから籐かごへつめる。デザートは、いろんな味のフルーツグミだ。


 籐かごはみっつ。俺はそのうちひとつを、リッターくんへ渡す。「はい、これはリッターくんの」

「ああ」

「ねえマオ、わたしのはそのお菓子をもっと増やして」

 ユラちゃんは調理台に両手をひっかけて、ぴょんぴょんしている。俺はくすっと笑ってから、ユラちゃん用の籐かごにぐみの油紙包みを追加する。

「これでいい?」

「もう少し」

「はい」

 もうひとつ、包みを足すと、ユラちゃんはにこっとして頷いた。リッターくんが自分の持つ籐かごのなかを見て、ちょっとだけ眉尻をさげる。

「じゃあ、リッターくんにはこれをおまけ」

 そう云って、お握りふたつを葉蘭で包んだものを、リッターくんの籐かごへのせた。リッターくんはそれを見、俺を見て、こっくり頷く。「ありがとう」

 外へ出ると、日差しが強くなっていた。俺達は木陰へと歩く。七月も半ばが近く、日差しはもう本格的に強い。気温もだいぶ上がってきたが、八月になったらもっと暑くなるだろう。暑い夜、冷たいお菓子を食べながらみんなでサーカスを見物するのは、とても楽しいんだろうな。俺が居なくなっても、みんなでルッケンレーネを見にいってくれたらいいな。


年末辺りの数日間、投稿話数が少なくなる予定です。

かわりに一話あたりの文字数が増えます。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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