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とりあえずラック(仮)を収納した。メイリィさんが魔法の灯をみっつ飛ばし、部屋を明るくする。隣の社交室と同じくらいのひろさかな。
それからは今までと同じ。天井と壁のお掃除をするふたりを俺が補助し(一回雑巾洗いに走った)、その後は三人で床を徹底的に磨き、拭き、よく乾かす。物置部屋は石張りの床なので、板張りの床とはワックスが違ったし、家政魔法で神経質なくらいに乾かしていた。で、ラック(仮)をもとの通りに配置する。
「よし、これでいいね。それじゃあ、お風呂場とお手洗いを掃除したら、帝国寮での仕事はお仕舞。一旦戻って、お昼ご飯を食べよう」
エイジャさんの言葉で俄然やる気が出てきた俺は、勇んで階段をのぼっていった。お風呂場は一階にある。
お風呂場の前で、アロさんチームと合流した。あちらも、学生達の部屋のお掃除を終え、最後にお風呂とお手洗いのお掃除の来たのだ。俺達にサフェくんとアーシェさんが加わって、男湯のお掃除。アロさん達は女湯。
「ほかの寮は、お風呂場がふたつあって、男女で風呂あがりに鉢合わせないようになってるんだ。一般寮以外は、部屋も男女で階層が違う」
へえー。ディファーズは解らないでもないかな。男女の付き合いに関して、とても厳しいもの。ああ、ロアも、男のひとのほうが上って意識が強いんだっけ。だとしたら、女と隣り合う部屋なんていやだ、ってなるかもなあ。
お風呂とトイレをお掃除するのは好きだ。特にお風呂場。思いっきり泡だらけにして、最後は全部洗い流せばいいのだもの。
しかも、こちらの世界のお風呂には水道というものがない。だから、細かいすきまにかびが生えてていらいらしたり、蛇口が水垢塗れでげんなりしたり、なんてことはない。
調剤系職業の学生達が授業でつくって、提出したという、お風呂掃除用の洗浄剤をつかった。そもそも毎日お掃除しているから、もともと綺麗なのだけれど、ひとかわむけたみたいに綺麗になる。魔法だのなんだののある世界でも、水垢は存在するのだ。
浴槽も床も壁も天井も、ぴかぴかに洗い上げ、家政職のひと達が丁寧に乾かした。さてお次は、トイレ掃除だ。
トイレ掃除も単純。やはり、調剤系職業の学生達がつくった、研磨剤配合の洗浄剤をつかい、便器を磨く。あと、一応備え付けてあるタンク(というか、要するに大きめのばけつ)も綺麗に洗って戻しておく。
なんにせよ、毎日徹底的にお掃除されているからか、トイレに関しても汚い感じはしない。奉公人の努力だ。




