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ワウラさんやランスさん、ルクトくんがびくっと反応したが、別テーブルでお茶していた先輩達が武装集団を立ち上がって迎えたので、なにも云わない。
「お疲れー」
「お茶? ご飯?」
「ごはん、おねがいします、あとお風呂も」
武装集団は疲れているみたいだ。なんだか汚れた格好のひとが多い。あいたテーブルへ着いて、それぞれ肩を揉んだり、伸びをしたりしている。先輩達が蒸しタオルを持っていったり、恢復魔法をかけてあげたり、至れり尽くせりである。数人、出ていったのは、お風呂をわかす為だろう。
私兵だ、と気付いた。空き間に沢山居る、御山をまもっているひと達。それが全部で……三十人以上居る。
あ、そっか、このひと達も奉公人じゃん。だからここでご飯食べるんだ。でも、だとしたら人数が少ないな。
ランスさんも気付いたみたいで、興味津々、彼らの様子を見ていた。ランスさんは、できたらあっちに配属されたいみたいに云っていたっけ。
広間はにわかに、社員食堂のような雰囲気を帯びてきた。先輩達が厨房へ行って、ワゴンでお膳を運んでくる。私兵達は、だいぶ恢復したらしく、配膳を手伝っていた。奇妙なくらいにお行儀がよく、きちんとお祈りをしてからご飯を食べている。それに、奉公人達に対して、かなり丁寧な態度だった。
ポトフ、チャパティ、いんげん豆と角切り人参の炒めもの(ごま風味)、レッドキドニービーンズとほぐしたむしどりがはいったキャベツの温サラダ、チキンソテーの目玉焼き添え(たまねぎたっぷりのトマトソース)。御山の食糧事情はとてもいいみたい。ほっとした。
追加みたいに、一際汚れたふたりと、まったく汚れていないひとりが這入ってきた。奉公人達がぱっと駈け寄って、ふたりを外へ出す。お風呂へつれていくのだと思う。
残されたひとりは、白に青と金の模様がはいったローブを着ていた。剣を仕舞いこみながら、ぶらぶらと、私兵達のテーブルへ向かう。が、途中でくるっと進路をかえ、こちらへやってきた。「新入りさん達? マオって、誰」
ランスさんワウラさんディロさん、それにルクトくんとサフェくん、ヴィオウサさんもぱっと立ち上がった。俺はぼけっと、座ったままだ。
ローブの男のひとは、ふふっと笑った。
「あ、ごめん、別に悪い意味じゃなくて。僕の先輩にあたる、セロベルせんせ……もと、先生から、推薦をうけたひとが居るって聴いたから、気になって」
「あ」立ち上がった。「セロベルさんの?」




