2078
階段があって、そこをくだる。くだりきって数m行くと、天井が高くなり、ひろい空間に出た。
なんか変な感じだった。立派なお屋敷の玄関ホール、みたいなつくりなのだ。なんにも違和感がないのが違和感。斜め前方、左右に廊下がのび、正面には大きな扉がある。扉の脇に、どうも階段が下へとのびているらしい。扉の上に窓がらすみたいなのがあって、その向こうが明るいのだけれど、ここって地下だよな?
ジアー先生は片手をあげる。「アロ。彼女らの案内を」
「はい、ジアー先生」
そこで俺達を待っていたのは、奉公人だった。例の、寸足らずのローブを着ている、二十歳前後の男性だ。
そこで、俺達は男女に分かれた。別棟に部屋があるのだ。当然だけど。
女性陣は、アロさんについて、斜め左前方の廊下をすすんでいった。俺達はジアー先生について、斜め右前方へとすすむ。「ここは完璧に安全です。ひとつだけ注意が必要なのは、学生達に絶対に入り口を見付けさせてはいけない、ということかな。どんなおそろしいことになるか解らないから、特に注意するよう」
おそろしい……って、穏やかじゃないな。学生達がここの存在を知ったら、なにかまずいってこと?
ジアー先生はちらっと俺達を見た。「マオとマリリヴェは、充分気を付けなさい」
なんだか解らないが、俺ははいと返事した。メイリィさんも頷いている。
廊下の左右には扉があって、それが奉公人の部屋のようだった。俺達はかなり奥まったところに部屋を与えられている。
俺の部屋は、ベッドはふたつあるけれど、ひとりでつかっていいそうだ。メイリィさんもそうだった。サフェくん達は、四人で、同室なのだけれど……。
ジアー先生は、俺達がどうしてひとりなのかについて、説明しない。
「お互いの部屋を行き来するような真似はしないこと。もし、奉公人が追加された場合、マオとメイリィは同室にする。いいね」
「はい、先生」
「はい」
俺とメイリィさんだけ特別扱いなのは謎だが、誰からも文句は出ないし、そもそも御山の決定に逆らうひとも居ない。部屋割りの話はそこで終わった。
収納空間を持たない奉公人が部屋に名簿を置いて、俺達は先生につれられ、玄関ホールへ舞い戻る。
女性陣も同様だった。アロさんは居なくなっている。
ジアー先生が扉を開けて、奥へと案内してくれた。広間だ。ご飯を食べるところらしくて、大きなテーブルが並び、椅子も沢山ある。こちらも、天井の上のほうにあかりとりの窓らしきものがあり、がらすがはまっていて、その向こうが明るい。魔法なのかな。




