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 そして、階段が終わった。

 門だとか、そういうものはない。最後の一段をのぼると、唐突に目の前がひらけ、学舎と思しい建物が見えた。

 地面におろされる。なんとかまともに立っていられた。メイリィさんのおかげで、筋肉痛も和らいでいる。

 地面は、踏み固められた土だ。草が生えている。石畳もあったが、全面ではない。それから、花壇みたいなものも、離れたところに見える。

 シシース先生は、少し離れたところで、俺達に向かい合うようにして立っていた。その隣に、ノートみたいなものを抱えたジアー先生が居る。ふたりとも、俺達がかなり遅れてきたのに、怒った様子はない。

 俺達は先生達の前に移動し、並んだ。シシース先生がにこっとする。

「君達は奉公人のなんたるかをきちんと理解しているようだ」

「助け合い、協力するのが奉公人、ですからね」

 あ……わざとだったのかなあ、あんなにすいすいのぼっていったの。だとしたらちょっと、意地悪だと思うんだけど。

 しかし、抗議する気力がないので、俺はなにも云わない。


 シシース先生とジアー先生は低声(こごえ)で言葉を交わし、シシース先生が立ち去った。

「それじゃあ簡単に、構内を案内しましょう。それとこれは、現在御山(おんやま)に在籍している人間の名簿です」ノートらしきものを示す。「無理はしなくていいですが、できる範囲で覚えておくよう。制服は部屋に用意してありますから、明日からはそれを着るように」

 はい、と俺達は声を揃え、ジアー先生は微笑んで名簿を配った。

 隣に居たルクトくんから渡された名簿は、羊皮紙を綴って、皮の表紙をつけた、とても立派なものだった。大きさは、A4……よりも、ひとまわりくらい小さいかな。試しに開いてみると、細かい字で名前や所属国、あるとしたら家の爵位、年齢、性別、外見的特徴などが記されている。インクで書かれていて、数ヶ所訂正したあとがあった。

 俺含め、収納空間持ちは、その場で名簿を収納した。ほかは、脇に抱える。ジアー先生が頷いて、歩き出した。


 構内はひろい。ただ、授業中だそうで、学生の気配はなかった。今時分、一年生は北にある戦闘訓練場で、戦いの授業だそう。二年生は、戦士科は座学、魔導士科は得意属性で選り分けられて、先生達と実戦訓練。

「あれが図書館です」

 ジアー先生が左手で示した。いびつな円筒形の建物だ。お目当てのモノを一番に紹介された。

 ただ、かなり距離があり、ジアー先生はそちらへ行こうとはしない。けれど、それなりに近場にある学舎だとか、教員寮へも、近寄ることはなかった。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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