表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2185/6894

2074


 階段の横幅はせまい。三人並んでのぼれるかな、くらい。一段々々の幅もせまい。傾斜はなかなかのものだ。まったく嬉しくない。

 シシース先生はなにも云わず、なんでもないみたいにひょいひょいとのぼっていく。しかも、二段飛ばしで。長いローブの裾を踏みそうなものだが、シシース先生はそんな間のぬけたことはしなかった。

 俺達も、それに追いつこうと、あしを動かす。かなり上のほうから、シシース先生の声がした。

「この階段は、山道と呼ばれる。成る丈御山(おんやま)を損なわないように、もともとあった溝やくぼみをもとにして彫られている。だから、大雨や嵐の後には、ここに土砂が溜まるし、雪も吹きだまる。それを掃除するのも君らの役目だ。崩れた段を修繕する仕事もあるかもしれない」

 ひええ。めちゃくちゃ重労働じゃん。つらい。

 しかし、ランスさんやワウラさん、ほかにも半数以上は平然としてはいと返事していた。体力高い組だ。羨ましい。


 先生の云う通り、階段はカーヴしていたり、平たいところに出たと思ったら横に移動していってまた階段、なんてことがあった。もともとあった道を利用しているのなら、それは当然だろうと思う。人間が扱いやすいようにできた山なんてない。

 暫くすると、体力の差が如実にあらわれてきた。アーシェさん、サフェくんなどが後ろのひとに追い抜かれ、俺の傍までさがってきてしまったのだ。

 勿論俺は、太腿の筋肉痛がすでに始まるくらいあしを酷使していて、それはもうつらい。だから、遅れはじめたひと達に、なにかはげましの言葉をかけることすらままならない。

 前のグループとの差はそこからも徐々に徐々に大きくなり、何度目かの角で、ついに先を行くひと達の姿が見えなくなった。

「まずい」サフェくんは息絶え絶えだ。「おいてかれちゃう」

恢復(かいふく)魔法持ってるひと、居ない?」

「つかえるけど今は無理だよお」

 俺は会話に参加する気力もなかった。汗だくだし、息が苦しいし、咽が痛い。その上、何故だか四肢が不気味に震えはじめた。これって、低血糖かも。もしくは、高山病?

 そういえば御山(おんやま)って、もの凄く高い山じゃん。高山病は大丈夫なのかな。

 サフェくんが転んだ。階段を掴んで、ずり落ちるのを阻止している。アーシェさんがサフェくんの腕を掴み、俺が腰の辺りをおして、立ち上がる補助をする。「ごめん、先に行って」

「だめだよ」声が出た。「助け合わなくちゃ」

「そうね」

 のろのろと声のほうを見る。ランスさんとワウラさんが見えた。「ほら、負ぶってあげるよ、サフェ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ