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「マオの収納空間、むちゃくちゃなひろさね」
ランスさんに呆れたように云われる。サフェくんが頷いていた。
俺は苦笑いで、倉庫から出してもらった羊皮紙の束や、それを綴った高級そうなノート、鉛筆(の芯)、インクつぼ、ペン、などを収納していく。サローちゃんからもらったお金が、思わぬところで役に立った。行く先々で買い占めるので、必然的にお金はかかる。
本屋さんは、三軒目。この後、アクセサリのお店とサローちゃんの工房へ行って、買いものツアーはお仕舞の予定だ。はぶらしは市場中のものを買い占めたし、下着も向こう五十年くらい大丈夫そうな量を買った。服も。せっけんも、割りといい品質のものを、見た目がよくないから、というだけの理由で、かなり割り引いてもらえた。
勿論、セロベルさんおすすめのお店で、俺含めみんな、契約は結んでいる。俺の場合は、すでに収納空間に沢山のものがあるので、一年後から届けてもらう約束だ。それまでに一時下山できないってことかなあ。ちょっとこわい。
「また、マオもメイリィも、ぼーっとしてる」
「まあ、いいじゃないの。嫌味を云うでも、意地の悪いことをするでもないんだし。同期がいいやつばっかりで助かったわ」
「和むよねえ」
女性陣は俺とメイリィさんのことをそう評し、くすくすしている。とうの俺達は、目を合わせ、肩をすくめ合った。メイリィさん、こういう仕種もあるんだな。
アクセサリは北の市場で、頭を剃り上げたおねえさんと、緑珠さんから。流石に、御山でアクセサリなしは危険らしいので、指環でも首飾りでもいいからつけておけとセロベルさんにきつく云われる。
「よかったなアぼん」
俺が奉公の試験にうかったことは、すでに緑珠さんの耳に届いていたらしい。アクセサリを買いに行くと、手を握ってぶんぶんされた。残りの五人は、目の届く範囲にお店を出している、頭を剃り上げたおねえさんの許へ行っている。セロベルさんも一緒だ。こっちは俺が買い占めると云ってある。「ありがと、緑珠さん」
「ああ。いや、一昨日ぼんがさらわれたって聴いて、気を揉んでたからよ」
「あー……毎度お騒がせしまして。心配、してくれたの?」
「当然だろ。折角同郷の人間に会えたのに……ああ、そうだ、ヒワタリ達も来たぜ」
お、キョウスケさん達、レントへ来たんだ!
緑珠さんによると、ふたりは丁度、一昨日レントへ来ていたらしい。オオウチさんと話をして、俺がさらわれたと聴いて慌てていたそうだ。おもにキャラコさんが。




