表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2161/6894

2050


 なんでもいい。とにかく数打ちゃ当たる方式で、やれるだけのことはやる。それが可能性を高める。

 それを見越して、能力値が高かったり毛色がいい女性を見繕い、愛人にしておく、という手もある。自分の為であり、競合相手への妨害にもなるから。


 思考がめまぐるしい。俺は頭へ手を遣る。髪の毛を掴む。そうでもしないと、なんだか妙な心地がする。母親違いの姉妹で、顔を合わせたこともない。はあ? 正気か?

 見たこともないエンバーダート卿を気色悪く思いつつ、俺は云う。

「それで……その……ジーナちゃんのお姉さんであるあなたが、俺に話というのは」

 ぎこちなくなった。そんなことよりお土産にお菓子どうぞ、なんて自然に喋れる訳がない。途轍もなく重たい話なのだから。

 ロイネちゃんは頷く。魔法の灯がふわふわ揺れた。

「謝罪です」

「謝罪」

 おうむ返しにも、ロイネちゃんは表情をゆるめない。俺はかすかに、頭痛を感じている。目を瞑る。「謝られるようなことをされた覚えはありませんが」

「わたし、こちらに来て、あらさがししていました。ジーナにけちをつける為に。要するに、ジーナを追い落として、自分がエンバーダート家の娘になりたかったんです」


 はあ、と云った。それ以外になんと云えというのだろう。ロイネちゃんの声には、憎しみとか恨みではない、でもなにかしら、マイナス方向の感情がにじんでいる。それは、ジーナちゃんに対する不快感かもしれないし、エンバーダート卿に対する反発かもしれないし、俺にはよく解らないなにかかもしれない。

「わたしの母は」

 ロイネちゃんは淡々と喋る。俺はそれを聴く。逃げ出したいのにあしが動かない。子どもに、自分が隠し子だなんて話を、させていい訳がない。少なくとも、納得していない様子の子どもには。

「父の、……エンバーダート卿の、隠し妻です。ジーナの母親と違って、公的にはエンバーダート家となんの関わりもありません。わたしは父親不明の子どもです。公的には」

 頭痛が酷くなってきた。俺はショックをうけているらしい。当人はもっと傷付いているだろうに、俺が動揺して、頭痛を起こして、ばかみたいだ。

 ロイネちゃんはなんでもない顔をしている。でも、すーっと息を吸うのが、どことなく苦しそうだ。

「エンバーダート卿には、ほかにも十人以上、隠し妻が居るそうです。公的な妻にあたる女性は、卿と非常に仲が悪く、子どもをつくることを強硬に拒否しているので、それだけの数の隠し妻が居るのだと聴きました」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ