表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2148/6896

2038


 は?

 ランスさんが跳び上がり、サフェくんが俺の肩を掴んだ。ふたりが小さな声でいう。「マオさん」

「やった、マオ、凄い」

 俺は口を半開きにしていた。いつものことだ。お馴染み、吃驚してまぬけ面をさらしているのである。

 衝撃が去らないのに、試験監督は無情にも続ける。

「次、ルーシェフェン・クー」

「え、」

 サフェくんがかたまった。大きく口を開き、こぼれ落ちそうに目を開いて。

 ランスさんが嬉しそうに、その肩を叩く。「ちょっとあんたもじゃない、よかったね」

「ランティエーナ・ルカッツェ」

 ひっとランスさんは息をのみ、やはり体を強張らせた。サフェくんはまんまるの目で、それを見る。「え……僕達三人とも……」

「え? ……え?」

「サンティエック・リンネー。ああ、ジアー先生が誉めていたひとだね、素晴らしい家政魔法の遣い手だ」

 小柄な女性がきゃっと、一瞬嬉しそうな声をあげてから、ぴょんぴょん跳びはねている。俺は振り返って、ぼけーっとそれを見ている。

「さて次は、ワウラ・モーンディアンス。最後は、マリリヴェ・ミッセンシャーエナ。以上六人が合格。それ以外は退出するように」


 多くの受験者が肩を落として出ていった。天幕のなかは、途端に淋しくなる。人間の密度が減った。あ、結構ひろかったんだ、と思う。

 後ろのほうに居た、サンティエックさん、ワウラさん、マリリヴェさんが、前方へと移動させられた。六人、試験官の前へ横並びになる。チハル先生の前が俺、カンナ先生の前にマリリヴェさん。順位の通りに並んでいる。

 サンティエックさんは俺と同じくらいの歳に見える、小柄で、焦げ茶のふわふわした髪をおろした、白桃色の肌の、ピンクのドレスの女性。

 ワウラさんは、細身で長身、赤い髪を短く切った、弓を背負った女性。二十歳前後かな。はちみつ色の肌で、右頬から顎にかけて、なにかにひっかかれたみたいな傷痕がある。

 マリリヴェさんは、肩くらいまでの灰色の髪を、金のバレッタで簡単にハーフアップにしただけの、中肉中背の男性。俺より歳上だと思う。あと、多分だけど、耳飾りをしていない。肌の色は、シアイル系っぽい白さだった。

「まずは、合格おめでとう」

 試験監督がそう云う。サンティエックさんが飛び跳ねた。「ありがとうございます」

 とても嬉しそうだ。長年、ここを目指していたんだろう。素直に喜ぶサンティエックさんに、試験官達は微笑む。

 試験監督がなにか云ったが、俺は聴いちゃいなかった。まったく、なんにも、今の情況が飲みこめていない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ