表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2129/6899

2020


 意識を失った失格者もひきずり出され、あしが凍ったふたりは私兵が地面との接合を砕き、外へつれだした。心配だけれど、治療はうけられるだろう。暴れた結果の自業自得、でもあるし、あんまり同情はできない。

 大体、天下の御山(おんやま)の先生達相手に、むちゃくちゃするほうが問題である。それにここは御山(おんやま)の敷地だし、退去を命じられたら退去するのが()()だろう。

 そう云った騒動があったものの、受験者達がそわそわすることはなかった。なんたって、人生のかかった試験なのである。いつ行われるか解らないということはつまり、今後一切行われない可能性だってある訳で、だから皆さん、他人がちょっと暴れたくらいで動じない。

 俺は凄く動揺してるけどな。あー、こわかった。だって、自分の五割増しくらい体重があるだろう大柄な男に、掴みかかられそうになってみろって。すっごくこわいから。まじで。

 試験官達はなんだか楽しげに談笑している。

「いやあ、衰えてませんね、ガロア先生」

「いやいや、わたしがなにもしなかったら、シシース先生が暴れていたでしょう? ああ、チハル先生、君の魔法は素晴らしかったよ」

「光栄です。ガロア先生、補血剤を持ってくるよう命ぜられては?」

「そうだね。誰か、ダーニェア先生に補血剤を」

「甘いやつで頼むよ、でないとダーニェア先生はむずかるんでね」

「いやだなあジアー先生、ジアー先生が()ませてくれるんなら僕はなんでもいいですよ」

「じゃあベリャックの毒をもらおうか?」

「それはご勘弁を!」

 はっはっは、と皆さん楽しそうである。うわー、感覚が解らない。やばいひと達だ。三人でかーるく五人を戦闘不能に追い込んだんだもの、まじでやばい。


 補血剤がほんとに運ばれてきて、シニヨンの証人・ダーニェア先生がそれを()んだ。なかなかまずいしろものらしい。しかめっ面になる。

 お薬の壜が片付けられて(試験官のひとりが還元した!)、試験監督が注目を集める為か、軽く手を打ち鳴らした。

「いや、すまなかったね、諸君。毎回ああいった不心得者はあらわれる。もし、君達のなかから合格者が出れば、次の試験ではああいった輩をさばくのを頼むかもしれないから、その予習だと思ってくれ給え」

 なかなかに感じのいい口上で、受験者達はちょっと笑った。俺もだ。試験監督は満足げに頷く。

「それでは、実際の試験にはいろうか。今回は簡単だ。審査はふたつ。ひとつ目は洗濯だ」

 洗濯?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ