表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2120/6897

2011


 行列を右に見ながら、てくてくと歩いた。

 行列からじっとりと、視線を感じる。睨まれているのだ。俺はできるだけ、そちらを見ないようにしていた。

 ところどころに配置されている、行列を監視している警邏隊や、多分御山(おんやま)の私兵が、カンナさんに軽くお辞儀するから、カンナさんが御山(おんやま)の関係者だと解るのだろう。それにつれられて、行列を無視して歩いているのだから、順番を繰り上げられた、というのは明らかだ。

 それに、ほかにも数人、俺に似たような状況のひとは居た。カンナさんみたいな、試験官っぽいひとが一緒なのは居ないけれど、警邏隊が恭しく西門へと案内している。皆さん俺と違って体力が高いようで、笑顔で走って行くひとも多々。脚力が羨ましい。

 気詰まりだが、仕方ない。俺は体力が乏しいから、あんな芸当はできないのだ。徐々に傾斜のきつくなる道を、ひたすら歩く。今日は坂道を歩く日だな。


 レフオーブル家の辺りは越えた。傾斜がかなりきつくなっている。

 息があがる。あしも段々痛くなってきた。バルドさんとヨーくんは、これまでのゆるい傾斜で蓄積していたダメージがあるのだろう、ちょっとだけあしどりが重くなっている。ふたりとも武器を持っている上に、胴体だけだけど、鎧を着けているし、その分からだが重たい訳で。

 そんななか、やはり武装しているセロベルさんと、小柄で華奢なカンナさんは。平然とひょいひょい歩いていて、なおかつ楽しそうに談笑していた。カンナさんなんて、室内履きみたいなやわらかそうな布のくつなのに、足裏痛くないのかな。

 しかし、暫くぶりに会ったろうから、話すことも多いのだとは思うけれど……そんなに余裕ある? この坂道で?

 ほんと、入山経験者って、規格外だよな。一時下山とかで、御山(おんやま)を上り下りしてたら、体力つくのだろうか。グロッシェさんもこれくらい体力あるのかなあ。

「そうだ、図書館改築したの。シーマ先生が図面引いて、セロベルの後輩達で手伝って」

「ああ、俺が辞める前に、そんな話になってたな。荒れ地研究の資料がなんとかかんとか」

「そうそう。場所が足りなくなってたからね。それなのに、毎年々々蔵書を増やすものだから、お金のやりくりが大変ですよって云ってるの。でも教授陣はなんにも聴いちゃいない。本が増えて大変なら、改築しましょう」

 カンナさんは歌うみたいに云い、セロベルさんが笑った。

「お前がその分補填するからだろ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ