表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1080/6886

1031

 

「そうだ、セリィさんから聴いたぜ、マオ」

「ん?」

「マオと好い仲の祇畏士さまって、収穫の帰りに助けてくださったかただろ?よかったじゃん」

 パウンドケーキが気管にはいった。咳込む。セロベルさんなに余計なことを云ってくれてるんだ。

 ハーバラムさんが目を耀かせる。「なんだい、その面白そうな話」

「ああ、マオが危険な目にあうと、その祇畏士さまが颯爽とあらわれて、危機から救ってくれるんだって。ああ、祇畏士みならいさまだったな。祇畏士になってないのに滅却ができるんだ」

「へえー、もの凄く優秀なおひとじゃないの!」ハーバラムさんは手を叩き、嬉しそうだ。「マオ、いいひとをつかまえたねえ」

「ち、違いますって。ほーじくんは、その、ちょっとかわった子で」

「かわりもん同士でいいじゃんか。村のみんなにもちゃんと伝えとくからな」

「だっ、だすとくんっ」

「にしても、すっごいねえ、祇畏士になってないのに滅却がつかえるなんて。封印もつかえるようになるんじゃないの?」

 封印。

 咳がおさまってきた。封印って、本に出てきたっけ。

 ダストくんがにこっとした。「それ、セリィさんも云ってた。封印ができたら凄いよな。魔王がたっても安心だよ」

 もう一回激しく咳込んでしまったが、直前の咳がぶりかえしたと思われたみたい。セ-フ。


 本にはくわしく書いていなかったが、かつて魔王がたった荒れ地に近い村で生まれ育ったふたりには、封印は常識みたいだ。

 ただ、くわしい区分は知らない。恩寵の最上級魔法、とか、そのひとつ下の魔法、とか、祇畏士の追加の職業加護、とか、単なる特殊能力、とか、色々説はある。実際つかえるひとがこの何百年あらわれていないから、よく解っていないみたいだ。

 でも、効果ははっきり解っている。文字通りの封印。魔につかれた者を封印するのだ。

「その場に?」

「さあ?」ダストくんはおかわりのパウンドケーキを手掴みで食べる。小指以外にはまった金やプラチナの指環が、バターでべたべたになるのを気にする様子はない。「消えちまうらしい」

「きえる」

「ああ。封印ってのは、滅却できない場合につかうものなんだ。途轍もなく強い魔物だと、滅却できるくらいまで弱らせることが難しい。そういう時、祇畏士さまでも特に優れたかたが封印をつかえば、あら不思議、魔物は綺麗さっぱり消えちまう」

「いつかは解けちまうものらしいけど、封印された魔物は弱ってるって話だよ。封印できる期間は、祇畏士さまの能力値に拠るらしいねえ」

「へえー……」

 あ、なんか、こわい。封印、こわい。滅却は一発で殺される感じでそれもこわいけど、封印はじっくり殺される感じじゃん。ほーじくん、そんなのつかえるようになるかもしれないの?

 ああ、どうしてそんなことになるんだよ。仲好くできないじゃないか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ