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晩ご飯の時間、久々に傭兵が大勢やってきた。警邏隊だ。メイラさん達、バルドさん達など、おなじみの面々。還元過多に拠る襲撃の所為で壊れた建物の補填に関する事務仕事が一段落ついた打ち上げ、みたいな感じ。
ライティエさんはぎゅうぎゅう焼きをあっという間にたいらげて、おかわりに手をつける。「まおくん、おかわり焼いておいてね?」
「もう用意してあります」
「やった。あ、そうだあ、あの子達うかったんですってね!よかったねえー」
ライティエさんは腸詰めを頬張り、もごもご喋る。「癒しの力の子は優秀だったもんね。メイラ?」
「ああ、癒し手になってないってのに、恢復魔法の威力がすごかったもんね。隠密のお嬢さんも」
「ジーナちゃんでしょ?凄いよねえ」
「あと、ほら、ロヴィオダーリ」
「そうそう。強いんだよね、ツィーク?」
「彼らのことは、ご飯中に喋りたくないですねえー」ツィークくんは頭を振る。「悪い夢でも見ているみたいな強さですよう」
ツィークくんが溜め息を吐いた。
ヨーくん、ラールさんは、傭兵等級がひとつ増えたそう。ターツァさんはご褒美をもらったそうで、嬉しそうだった。
お茶のおかわりを注いでまわっていると、ラールさんに呼びとめられる。「はい?」
「リーニがここに来て、無茶な頼みをしたらしいな。すまねえ」
ラールさんはぺこっと頭を下げる。「セロベルにも謝った。悪いな」
「全然謝る必要ないですよ。おかげで料理人さんが増えて助かってます」
「いやあ、結果としてよかったからって、無茶な頼みをしたのは問題だ。リーニにはきつく云っておいた」
「そうですか?……あ、じゃあリーニくんに、たまにご飯食べに来てって伝えてください。それでいいですから」
ラールさんは困ったみたいな顔になり、悪いなマオちゃん、ともう一度頭を下げた。
「ほんっとに、凄くにぎやかになったね」
商談終わりのダストくん達は、甘ーいお茶とパウンドケーキを楽しみながら、お喋り中。また暫く会えないので、俺も参加していいと、セロベルさんのゆるしを得た。
ハーバラムさんは頬杖をつく。「マオに連れてこられた時は、これがあの四月の雨亭かって、切なくなったもんだけどねえ。傷んでた屋根も綺麗になってるし、客室の寝台も新しくなってて、つづれ織りまでかかってる。先輩と初めてここに来た日を思い出すよ」
ふふん。屋根や門、壁の掃除や補修なんかは、ちまちまセロベルさんとグロッシェさんがやっていたのだ。ツァリアスさんが加わってからは加速度的に綺麗になっていった。俺は大工仕事まったく解らないからノータッチ。逆に壊しそうだもん。大工さんを呼ぶほどじゃない傷みだったらしいけれど、それでも修理すれば見違える。




