Day2-2♦ホームレス
走っている途中、俺は誰にも会わなかった。
不思議だった。
河川敷についた。
右に行こうか左に行こうか迷っていると、
後ろから声をかけられた。
「なんですか?」
と俺が聞くと、
「あんた、懸賞金ゲームの参加者だろ?」
「!!」
俺はとっさに避けた。
まさかこいつも…
「大丈夫だ、なにもしねーよ。俺も参加者だからな。」
え?
マジで?
俺は驚いた。
「ちょっと俺の家に来てみないか?」
また驚いた。
なんて言ったってそいつは髭だらけの老けた顔に茶色いTシャツにズボンを履いていたのだ。
どう見たって家を持ってるとは思えない。
そいつの姿はまるで…ホームレス。
「ここだ。」
電車用の橋の下には、段ボールで囲まれたスペースがあった。
やっぱりこいつはホームレスだったのか。
「ここに住んでいれば、見つかりにくいし、誰も気味悪がって近づかない。お前のような奴にぴったりな住みかただ。」
なるほど。
それは考えつかなかった。
「…あなたは、今日の朝からここにいるんですか?」
俺は尋ねた。
「いいや、昨日の夜からだ。俺は元々マンションに住んでてな、ニュースでゲームのルールを聞いて、これはやばいと思って急いで準備したのさ。」
とそいつは言った。
「ここから右はお前のスペース、反対はおれのスペースだ。とりあえず好きに使え。」
勝手に仕切られた。
まあいいや。
「おっと。そういえば自己紹介を忘れてたな。田折、「田折 源次郎」だ。お前は?」
突然聞かれたので少し戸惑った。
「あっはい。塩谷 尊です。」
「ほお。塩谷か。あまり聞かない名字だな。」
何故か感心された。
「よし。家に戻ろう。ここでしゃべるのもよくないからな。」
河川敷の時計は午前10時。
懸賞金は122万4千円。
おれは初めて仲間と出会った。




