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大家族体験承ります!  作者: 茅野ちよ
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6/7

大家族と男の子 ⑤

◇◆◇◆


「ねえ、ねえねえ! ねえ、聞いてる?」


 悠人はハッとする。「え?」と困惑の声が出た。


「ぼーっとしてると、ご飯無くなっちゃうよ?」

「そうそう、食事は戦争!」

「特に碧太(あおた)には注意して、人のお皿からとって食べるんだから。……あっまた! ちょっと返しなさいよ!」


 悠人と一番年齢が近そうに見える男の子、次男の碧太くんがひょいっと女の子、三女の(こと)さんのお皿から唐揚げをとって口に放り込んだ。


「食べないやつが悪いんだよ。……って、あぁ! 俺の唐揚げ!」

「食べないやつが悪いのよ〜ん! だいたいあんたね、年下のくせに生意気なのよ! あ、でもでも〜悠人くんは同い年なのに礼儀正しいよ?」

「そーだそーだ! 悠人くんを見習え!」


 琴さんが片眉を上げて揶揄うように碧太くんを見ると、長女の光莉(ひかり)さんもそれに乗って茶化す。兄弟が多いとここまで賑やかなのだろうか。

 一人っ子の悠人にとっては、知らない世界に迷い込んだような感覚だ。でも、不思議と嫌ではなかった。


「ちょっと光莉、あんた一応一番年長(ねんちょう)でしょ? 馬鹿なことしてないで、こっちきて手伝って!」


 由紀子さんーーお母さんがキッチンから顔だけを出して、光莉さんを呼ぶ。光莉さんは「え〜、わたしの分の唐揚げ無くなっちゃうじゃんか」と、文句を言いつつも、立ち上がってキッチンへ向かう。


「ただいま〜」


 すると、いきなり玄関の方から男の人の声が聞こえてきた。

 

「あ、帰ってきた。おかえり〜!」


 琴さんが立ち上がって玄関の方へ歩いていく。そして、玄関の方から「ねえ聞いて! 碧太が……」という話し声が聞こえてくると、碧太が「やべっ! ちくられる!」と言って、また玄関に向かって走っていく。


「……誰?」


 悠人が声を漏らすと、由紀子さんも「あら、帰ってきたのかしら。光莉、油みといて」と言って玄関にエプロン姿で走っていく。


「お父さんが帰ってきたんだよ。悠人くんも挨拶に行っておいで」

「お父さん……」


 悠人は立ち上がって、賑やかな声のする方へ歩く。

 玄関に立って、呆れたような声を出す男の人ーーお父さんの姿を見た。悠人がジッと見ていると、お父さんと目が合う。


「おっ、君が悠人くん? 袴田(はかまだ)家へようこそ! 僕は袴田貴志(たかし)、今日から二日間、君のお父さんだ。よろしくね!」

「は、はじめまして」

 

やっと本編に戻ってきた感じですね。

袴田家は七人家族です。覚えるのはちょっと大変かな……。

父  貴志

母  由紀子

長女 光莉

次女 衣織

長男 陸斗

三女 琴

次男 碧太  こんな感じです。

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