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クロエの過去 ①

「クロエさん」「クロエ!」


「は、はい!」


私は宿に戻りその日の夜、二人から質問責めにあってしまった。先ずじっじ………教皇様との関係を聞かれたのでじいちゃんの友達と答え、そのじいちゃんは何者なんだと聞かれたので知らないと答えた


「し、知らないとは?」


「じいちゃんは滅茶苦茶で何と言うか………バーニア団長よりも豪快で自由な人って感じ。今も多分………世界のどっかで困ってるかもしれない人を助けてると思う」


「意味わかんないんだけど? 困ってるかもしれないってなによ?」


「じいちゃん基準で困ってる人を助けるから困ってる人かもなんだって。わかりやすく言うなら滅茶苦茶で何をしでかすかわかんないの。確か………ルースフィア王国から追放されたってお父さんから聞いたけど………」


「「!?」」


二人の目の色が変わって考え始めた。そんな話をしてる最中のオランは部屋の隅で筋トレしてる。あいつは時間が出来れば筋トレばかり。少しは休めよって言いたいわ


「セレナートの名前を聞いてまさかとは思ってましたが………お爺様の名前はオルグラス・セレナートでしょうか?」


「アイシャ様、それはないですって! こいつの祖父が………」「知ってるんです?」


「な、なに? 何か変なこと言いました?」


二人が目の色を変えて私を見てくるから思わず驚いてしまった。私変なこと言った覚えないけど? って言うかじいちゃんって有名なの? それさえ知らないんだけど


「あんたの祖父が………鬼神オルグラス?」


「ま、まさか鬼神様に孫がいらしたんですね。神の申し子と言われた教皇様と知り合いのわけです」


「うん? じいちゃんって鬼神って呼ばれてるんです?」 


確かにじいちゃんの強さは異常だったのが今ならわかる。大型の魔物を離れた場所からデコピンだけで倒してたから子供の頃は凄いと思ってた。いつもゲラゲラ笑って私をあちこちに連れ回してくれる優しいじいちゃんって印象でしかないもんね


「授業で習ったでしょうが! 三英雄の話を!」


「あぁ、それは流石に覚えてるけど………個人名は出してなかったような………」


闇の魔物の根元を封じた三英雄の話は覚えてるけど個人名は結局習わなかった。何でだろうと思ってたんだけど………多分、じいちゃんが何かやらかしたんだ。ぜったいにそれしかないと断言出来るや


「出してはならないんです。ルースフィア最大の汚点とも言える三英雄を追い出したなど民に知られてはなりません。存在自体を秘匿し英雄譚だけ伝えるようにしてるのです」


「えっと………じいちゃんが何かしたんですよね? 本当にすいません」


「いえ、あれは難しい判断だったようでオルグラス様が自ら追放を望み出ていかれたと父から聞いています。こちらこそクロエさんから祖父との時間を奪ってしまい申し訳ありませんでした」


実はアイシャ様も詳しい内情は知らないらしく父親から何も聞かされなかったようだった。だけど、それなりの事情は把握してるようでわかっていることは国の一大事を救ったのだが危機を招いたことも事実だったぐらいなようだ


「ここまで来たらお聞きしますけどオルフェ・サラナー・ユグドラシル様ともお知り合いですよね?」


「………う、うん。ばあばだね」


「頭痛くなってきた。エルフの生きる伝説の魔法使いと知り合いとか狂ってる」


「………そ、その、言いにくいんだけど、私って………あ、あの………」


二人が不思議そうにこっちを見てる。めちゃんこ言いにくいけど言うしかない。こうなったらあまり知られたくなかった事実を言おう


「私さ、クォーターなんだよね。そ、その………じいちゃんが魔族でばあばがエルフ、んで父さんが魔族とエルフのハーフでお母さんが人間なんだ。だ、だから………その………魔族とエルフの血が入ってたりしちゃうかな~なんて」


「………クロエがこれだけ魔法に優れてる理由がわかりました」


「あんたの化物じみた魔法の才能はそっから来てるのね」


「アハハハハ」


化物じみたって言うけど本当の化物を見たことがないからそんなこと言えるんだって。でも、私が自分に自信がない理由がわかってきたかも。あの三人は本当に人外で凄まじい力を見せつけられてきた。私のなかの一般レベルはあの三人で、そんな三人に到達出来なかった私は自信をどうしても持てなかった。それに、ばあばは厳しくてよく怒られてたし泣かされたらじっじが甘やかしてくれて………なんかばあばにも会いたくなってきた。元気だろうけど元気にしてるかな?


「他に隠し事は?」


ルミナスが冷たい目で私を睨んでくるけど隠し事なんて………いや、別に隠してる訳じゃないし話す必要のない話だから話してないだけど、話した方がいいのかな? はい、二人して話せって睨まないで


「そ、その………私の母さん、元冒険者なんだけど」


「もういい」


「言わなくてもわかりました」


「………ハハッ」


そう、私の母は冒険者のなかで世界最強と言われる剣豪だ。東洋の島国出身で剣聖の称号を持ちじいちゃんとよく喧嘩して対等に戦ってた化物だ。そう考えるとうちの家族全員………いや、私以外はふざけた人しかいないなぁ


「敢えて聞きますが精霊魔法を使えるのですか?」


「あぁ、基礎だけ?」


精霊魔法はエルフだけに伝えられてる特殊な魔法。人間にも使えるらしいけど自然との親和性が高くないと使えない。自然と共に生き自然と共に死ぬエルフだからこそ極め使いこなせる特殊な魔法だ。私は田舎育ちだったお陰か基本だけはマスターした。使いこなせる訳じゃないから普段は使わないけどね


「精霊魔法が使えるなんて」


「あんたに何を言われてもこれからは驚かない自信があるわ」


「褒めないでよ」


そんなに二人して呆れないでよ。私の世界では常識だったのが世間からすれば非常に非常識だっただけじゃん。私だって驚いてるんだから許してよね

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